ネットに強い弁護士は、他の弁護士と比べて、どのよう点で異なるのでしょうか。インターネット上の誹謗中傷の被害にあった時、ネットに強い弁護士であれば、対応事例や経験も多く、早期に問題解決を図れる可能性が高いです。
インターネット上で影響力を持つ、掲示板やSNSなどのサービスが増え続けていて、ネットのトラブル解決には、常に専門性が求められています。この傾向は、昔と今も変化がありません。知見のある弁護士は、日々インターネット上の動向にも敏感で、自分自身もネット上での発言を怠らないため、高い知識水準を維持し続けられるのです。
ネットに強い弁護士に求められるもの
誹謗中傷被害を解決するためには、インターネット全般についての深い知識と経験が必要です。
誹謗中傷に当たっての対応は、例えば、弁護士が離婚や相続についての問題を対処するのとは全く異なり、ネットワークや掲示板・SNSのルールを熟知した上で、誹謗中傷を書き込んだ発信者に対しての措置や、誹謗中傷が書き込まれてしまったサイトに対しての連絡を行っていきます。
ネットワークについて、ネットに強い弁護士は知見が豊富
ある日、自分が誹謗中傷の被害に合ってしまったとしたら、問題解決のために、いくつかのハードルを乗り越えていく必要があります。
このネットワークのルールに沿って、正しい対応が必要で、ネットワークに強い弁護士は、この対応について知見があります。
ネットに強い弁護士は掲示板・SNSの運用ルールに詳しい
現在は、インターネット上でたくさんのサイト、コンテンツ、SNSが登場し続けています。5chや爆サイなどで誹謗中傷が発生してしまうこともありますし、twitteやFacebook、Instagramなどで、風評被害にあたるコメントを書き込まれてしまう場合もあります。
誹謗中傷を書き込まれてしまった時、共通の対処方法は存在しますが、かなり個別具体出来な対応が求められます。
そのため、知識・経験のある弁護士は、日ごろから自分でもブログやSNSを通じて、情報発信を行っています。
実際に起こった炎上事例や、解決方法などは下の記事を参考にしましょう。
ネットに強い弁護士は東京・大阪に集中している?
弁護士の業界を広く見渡した時、ネットのトラブルに対応できる弁護士は、全体から見れば決して多くはありません。専門性が高い分野であって、流行に応じたインターネットの知識も求められます。
もちろん、この2都市だけに限っているわけではありませんが、地方で活動している弁護士では対応できないことが多いのが現状です。
初回は相談も兼ねて、面談が必要な場合が多いのですが、対処方法が固まれば、メールや電話での連絡でも問題解決を図ることは可能です。対応が難しい事例の場合ほど、都市部の弁護士に相談しましょう。
ネットに強い弁護士の探し方
弁護士には、それぞれ得意・不得意とする専門領域があります。自分が検討している弁護士が、ネットについてのリテラシーが低かった場合には、依頼を行っても、時間と費用が無駄になってしまいます。
インターネットのトラブルは、解決までに多くのノウハウが必要です。専門性を備えた弁護士に依頼することで、解決ための時間も短縮することができ、誹謗中傷の情報発信者を必要以上に刺激することもなくなります。
ネットに強い弁護士は、下の方法で見つけて、相談してみましょう。
弁護士会でネットに強い弁護士を紹介してもらう
各都道府県には、弁護士会が設けられています。弁護士会は法律に関する相談を受け付けています。「誹謗中傷で困っていて弁護士に依頼したいけど、誰に聞いたら良いかわからない」という時には、弁護士会に依頼し、自分の問題を解決してくれそうな、弁護士を紹介してもらいましょう。
窓口への相談、予約などはインターネット上でも可能ですが、弁護士へ依頼をするには、弁護士会へ出向く必要がありますので、自分が出向ける日時・窓口の開設時間に注意しましょう。
【連絡先】日本弁護士連合
ポータルサイトでネットに強い弁護士を検索をする
弁護士ナビなど、特定の分野に特化した弁護士を調べられるポータルサイトを活用すれば、自分が突き当たっている状況に適した弁護士を探すことが出来ます。
ページには、弁護士の顔写真や料金表、対応範囲なども詳細に書かれているため「この弁護士に依頼したい」と事務所を指定して電話やLINEなどでも相談することが可能です。
ページでは、弁護士本人のメッセージや自分の専門領域なども詳細に書かれているため「どんな弁護士さんなのだろう」という依頼についての不安要素が無くなります。
ポータルサイトには、複数名の弁護士が登録して、自身の情報を公開しているため、自分と、これから依頼する弁護士とのマッチングを確実なものにできるのです。
ネットに強い弁護士は法テラスで紹介してもらう
日本司法支援センター法テラスは、法律支援団体です。経済的に余裕がない場合でも、無料相談を受けることが出来たり、弁護士費用を立て替える「民事法律扶助」を受けられる場合があります。
援助を受けるためには、今の自分の資力や月収、保有資産などの条件が定められていて、条件を満たしていれば援助を受けることが可能です。
弁護士へ依頼し、問題解決を図るには、多くの時間と費用が必要になります。法テラスを利用して、援助を得ることが出来れば、これらの負担を軽減することが可能なのです。
ネットに強い弁護士の誹謗中傷にあたっての対応
誹謗中傷を書き込まれた時、ネガティブな情報を書き込んだ発信者を特定し、該当の情報を削除するには、ネットワークやサイトの運用ルールに基づいた、的確な対応が求められます。ネットに強い弁護士であれば、このような対応に熟知しているため、早期の解決を望めます。
弁護士が手続きを行うことで、本人以上に効力を発揮して、情報の発信者やサイト運尿者に対して、法的措置の必要性をアピールすることが可能です。また、自分が普段の仕事を行っている間に、諸々の手続きを進めてもらうことが出来るため、周囲への信頼を損なうことなく、自分の役割に集中できるのです。
本人に変わり、発信者情報開示や情報削除や行う
誹謗中傷の対応に必要な手続きは、本人でも申請することが可能です。
ネガティブな情報を書きこんだ相手方は、自分のアカウント情報、連絡先や個人名などを明かさずに匿名で中傷の内容を書き込むため、これらの情報を明らかにする発信者情報開示が必要です。またサイトの運用者に対して、運用ルールに基づいて、情報削除の申請を行う必要があります。
また一度申請を行ったからといって、必ずしもサイト運用者が、対応に応じるとは限りません。
これらの手続きを行う申請者が弁護士名であれば、サイト運用者も申請を無視しづらくなります。
仮処分はネットに強い弁護士の方が確実
もしサイト運用者が申請を拒否して、情報開示や、削除の申し出に従わない場合には、裁判所を通じて、仮処分を行うことでサイト管理者は、申し出に応じる義務が発生します。
仮処分を行うことで、裁判の結果が出る前に、勝訴した時と同じ処分を命令できるのです。
実際に仮処分の手続きを進むにあたっては、申請に必要な要件をクリアする必要があり、また裁判所に対しても順序に乗っ取って手続きを行わなければならず、これらを個人で行うことは難しく、ネットに強い弁護士であれば、手続きから問題解決までを一任することが可能なのです。
ネットに強い弁護士 唐澤貴洋弁護士を襲った悲劇
ネットに強い弁護士は、個人が持っている実績や信用力が非常に重要になります。ネットのトレンドに応じた知見を持ち合わせている弁護士であれば、インターネット上のトラブル解決にも手腕を発揮するのです。
ネット上での被害対策で有名な弁護士の1人として、唐澤貴洋さんが挙げられます。
ネットに強い弁護士が掲示板ユーザーの中傷になり炎上した
2ちゃんねるの掲示板で、ある高校生の発言が炎上しました。別のユーザーを挑発した書き込みや、執拗な自分語りで他のユーザーの反感を買っていました。
さらに、掲示板にて、個人情報を開示することのリスクを考えずに、自身が合格した大学の合格証などをネットに公開してしまい、彼のことを良く思わないユーザーに実名や住所などの情報が割り出されてしまいます。
その後も炎上が止まず、追い詰められた当人は、ネットに強い弁護士 唐澤貴洋に依頼して、法的な解決に出る、と発言しました。
それから、唐澤弁護士自身に対しての中傷が徐々に書き込まれるようになりました。
唐澤貴洋がコンテンツ化し、ネットに強い弁護士として認知を獲得
掲示板で徐々に増えていく書き込みを見て、唐澤弁護士は過剰反応してしまい、自身をネタにした書き込み239件にすべて、IPアドレス開示請求を申請する程でした。
そのうち唐澤弁護士は、Facebookで演説をしたり、twitter上で自分の詩を披露するなど、自分自身がユーザーの反応を面白がるような行動に出始めました。
彼を中傷すると、唐澤弁護士が自身をネタにするような情報を発信するという構図ができ、次第にニコニコ動画やtwitter上でも、唐澤弁護士が認知されるようになっていきました。こうして唐澤弁護士が一種のネットコンテンツと化し、本人の意図を離れて、ひとり歩きして拡散し続けます。
そして今度は、本人がこの一連の騒動を自身の営業活動に利用し、Youtube上での発信や、一連の騒動を書籍化して販売し始めます。唐澤弁護士はネットに強い弁護士の中でも、話題を集めた事例としては、特殊な部類に入ります。
しかし、彼が辿ったプロセスなどは、ネット上の誹謗中傷の問題を浮き彫りにしているため、1つの参考として、記憶に留めておきましょう。
まとめ|ネットに強い弁護士は実績を見極めて選ぼう
ネットの誹謗中傷といっても、状況は千差万別です。相手方の情報開示や情報の削除申請で滞りなく解決することもありますが、問題解決が難航する場合がほとんどです。
弁護士を選別する基準は、実績と信用度です。これまでどのようなネットでの誹謗中傷を解決したか、実績や評判などをポイントに「この弁護士なら任せられる」という信用度を冷静に見極めていきましょう。