誹謗中傷・風評対策

万全ですか?SNSの炎上対策方法

企業の労働環境、大学の不祥事、バイトテロなどなど・・・毎日のように起こっているネット上の「炎上」。誰でもSNSやインターネットを使っているこのご時世、どんな組織にも炎上のリスクは潜んでいるものです。

ひとたび炎上してしまえば、株価の下落やひどい場合には店舗の閉鎖、倒産など冗談では済まない事態が起こってしまいます。

そんなリスクに事前に備えておきたい・・・という方は多いはず。だけど、対策ってどんなことをすればいいの?と手をつけられないでいる方もいるのではないでしょうか。

ここでは、炎上の起こり方や、対策方法を解説していきたいと思います。

炎上はどうやって起こる?

SNSで注意すべきはTwitter

炎上とよばれるほとんどのものはTwitter上で起こり、きっかけとなるのもTwitterの投稿が多いです。なぜならTwitterにはリツイートと呼ばれる拡散機能があるから。ツイート下部のリツイートボタンを押すだけで、投稿をシェアすることができます。一人がリツイートするとそのフォロワーがリツイートし、更にそのフォロワーが…とネズミ講式にひろがっていくので、あっという間に炎上という事態に陥ります。

どんな投稿が炎上するの?

きっかけとなる投稿は大きく3種類あります。

1.ユーザーからの不満や問題報告の投稿

SNSには「〇〇の店舗の対応が悪かった」とか、「商品に異物が入っていた」など、なにかサービスを受けたときの感想が書き込まれます。特にBtoCの企業の炎上リスクが大きいところです。

例)はごろもフーズゴキブリ混入事件

2016年、はごろもフーズの主力商品であるシーチキンにゴキブリが混入していることが発覚しました。騒ぎを受け取材をしたメディアに対して、自主回収や事件の公表はしないと回答し、批判が殺到。ずさんな初期対応が日に油をそそぎ、更に二次炎上する事態になりました。

シーチキンはその後、一部の工場で製造を休止し、はごろもフーズの株価にも影響がでました。

2.企業がTwitterなどSNSを広告塔として利用している場合

最近では、Twitterやその他SNSを消費者とのコミュニケーションツールとして活用したり、就活情報の発信に利用する企業がたくさんあります。その投稿の中で不適切な発言やうっかり機密情報を誤爆…なんてこともあり得ます。

例)キリン「午後ティー女子」炎上

キリンの公式アカウントが「#午後ティー女子」として4枚の女性のイラストを投稿。その内容が、顧客である女性を侮辱しているとして炎上しました。

その後、キリンはTwitter上で謝罪しましたが、その内容も本質的に謝罪になっていない形だけの対応だと批判が起こり、数ヶ月たっても商品の購入を控えるユーザーもいました。

3.企業内部の人間の投稿

コンプライアンス意識が低く、会議の内容やお客さんの情報をついついSNSに投稿してしまう場合や、逆に現職者や退職者が故意に「うちの会社こんなにひどいんだよ!」と告発的に投稿し、社会に訴えようとすることもあります。

例)アート引越しセンターマイナス給与明細

2017年、アートコーポレーションを退職した男性がブラック企業だとして給与明細の写真をUP。本来支給されるはずの給料が、事故賠償金として天引きされており逆に会社からお金を請求されているという内容でした。

Yahooニュースに取り上げられるほどの炎上となり、この後、アートコーポレーションでは事故賠償金の天引き制度は廃止されました。

その他

投稿がきっかけではなく、企業の不祥事や芸能人の言動などがテレビやニュースを通じて話題になったり、どこかから不適切なことが書かれた記事を引用してきたりして炎上してしまうというパターンもあります。

例)日大タックル問題

2018年、日本大学vs関西学院大学のアメフト試合中に、日大の選手が危険なタックルを行い、大騒動となりました。

タックルを行った選手が実名顔出しで会見を行い、真摯な対応を行ったのに対して、危険行為の指示をしたとされる監督・コーチ、大学側が保身と思われるようなずさんな対応をしており、炎上状態が続きました。

インスタは炎上しないの?

SNSのなかでも、近年は若者を中心にインスタグラムの利用率がかなり大きくなっています。良くも悪くも「インスタ映え」は若者の関心の的です。

最近のバイトテロと呼ばれるものは、主にインスタグラムに投稿された不適切な動画や画像が拡散され、炎上しています。インスタグラムにはストーリーズという機能があり、投稿後24時間で自動的に投稿が削除されるので、ユーザーはフォローしている友人たちだけに見てもらうつもりで、普通の投稿より軽い気持ちで発信してしまうのです。

発端はインスタへの投稿ですが、そのスクリーンショットがTwitterで拡散することで、大きな騒ぎに発展するのがお決まりのパターンです。インスタでも炎上は起こりますが、それは投稿者へのコメント欄が荒れるといった形です。

「火種」が「炎上」するまで

SNSに「炎上の火種」となるきっかけの投稿がされると、最初は少しずつ広がっていきますが、リツイート数が1000、2000と増えていくと一気に拡散し、炎上という事態になってしまいます。投稿したユーザーの会社・大学や、住所や交友関係などの個人情報も24時間以内に特定されさらされるケースがほとんどです。

※もちろん広がり方はケースバイケースで、フォロワーが多い人が発信すればそのスピードも上がりますし、ずっと昔の投稿が掘り出されて数年後に炎上というケースも稀にあります。

炎上後は、店が閉店したり、株価が下がったり…個人情報をさらされた投稿者は就職活動に影響が出たり損害賠償を支払う羽目になったりと、人生に大きく関わる事態となります。

炎上被害を抑えるには?

炎上被害を抑えるには?

まずは社員教育

事前の炎上対策として、社内の人間が不適切な投稿を行うのを防ぐことが大切です。SNSの使い方や、炎上のシュミレーション研修などを行い社員のコンプライアンス意識を向上させることができれば、無知ゆえの不適切投稿は防げます。また、企業アカウントの投稿に関しては二重チェックをしたり、使用する際のガイドラインを設定しておくことも炎上対策として必要です。万が一のときには、「ウチはきちんとルール作って対策してました!」ということも言えます。

自分(自社)に関係する投稿のチェック

研修や教育を徹底することで、ある程度の予防策を講じることはできますが、「火種」の投稿を100%防ぐことは不可能です。そこで大事になってくるのが、いかに早く「火種」となる投稿を発見し、騒ぎが大きくなる前に適切な初期対応ができるか、ということです。

【監視すべき箇所】

・Twitter
・5ちゃんねる
・Yahoo掲示板
・ブログ
・ファイナンス掲示板
・その他SNS      など

上記の箇所は、特にネガティブ要素を含む投稿がされやすい箇所ですので、炎上対策としては、できるだけ監視をしておいたほうが良いでしょう。

炎上の火種を早期に発見することで、該当ユーザーに謝罪やフォローを行うことができたり、問題が大きくなった場合の対応策(例えば電話や取材に対する対応)を社内で共有する時間を作り出すことができます。うまく対応ができれば、炎上を最小限に抑えることができますし、対応の仕方によっては「神対応だ!」と称賛されることもあります。

例)チロルチョコ芋虫混入事件

2013年、Twitterユーザーが「チロルチョコを食べようとしたら虫が入っていた」と写真付きで投稿。すぐに拡散され、炎上という事態になりましたが、最初の投稿からたったの3時間でチロルチョコから公式見解が投稿されました。

結果、保存状態の問題ということが判明し、チロルチョコの素早い対応に称賛が集まりました。

逆に最初の対応が遅れてしまったり、不適切な対応を行ってしまうと二次炎上し、さらに問題が大きくなるということもよくあるので、いち早く問題投稿を発見するというのは本当に大事です。

例)吉本興業闇営業事件

吉本興業に所属するお笑い芸人が、詐欺グループなどのパーティーに参加し、金銭を受け取っていたことが暴露され、炎上した事件。始めは闇営業をしていたとされる芸人たちが批判されていましたが、その後流れが変わり、批判の矛先は吉本興業に向けられました。

その後吉本興業が行った記者会見がグダグダすぎて、更に炎上。ネット上でも様々な意見が交わされました。

万が一炎上してしまったら

万が一炎上してしまったら

事態の収拾

どんなに炎上対策を行って気をつけていても、炎上を100%防ぐことはできません。万が一炎上してしまったら、事実確認や苦情の電話などの対応、謝罪文の掲載、謝罪会見の実施など、様々な対応を素早くする必要があります。さらにはこの内容も、隙があってはいけません。ユーザーは謝罪の内容や表現にまでしっかり目を光らせています。

社内だけでこれだけの対応をできる人材がいればよいですが、なかなか難しいと思います
。そういう場合はPR会社に対応を任せるのも手です。謝罪方法や内容のアドバイスが貰えます。

検索結果の対応

また、炎上後は検索結果に風評サイトが上位化しやすくなります。事実無根や権利侵害性のある内容であれば削除申請が可能な場合がありますが、本人か法定代理人の弁護士が申請を行う必要があります。代行を謳っている業者は、弁護士法に抵触する恐れがありますので警戒しましょう。

削除が難しいとなると、「逆SEO」対策が効果的です。上位化している風評サイトより下位にある複数のサイトを上位化する施策です。特定のサイトを上位化するというSEOの“逆”なので「逆SEO」と呼ばれます。

SEOに知見のある人は、自分でもある程度対策可能かもしれません。ただし、1つのサイトだけを上位化させるSEOより、複数のサイトを上位化させる逆SEOのほうが難易度は高いですし、時間も半年以上はかかる手法ということは認識しておきましょう。ノウハウが必要な方法ですので、専門業者に任せるのがよいでしょう。

まとめ

SNSでの炎上の起こり方と、その対処方法についてお話しましたが、いかがでしょうか。実際に炎上するまでは、その怖さや被害の大きさはわからないものですが、一度炎上するとその情報はネットに残り続け、負の遺産となります。

何度も言いますが炎上は100%防ぐことはできません。できる限り対策をしておき、有事の際は素早く真摯に対応することで、その後の評判は全く変わってきます。

まずは自分で気をつけることを徹底し、もし人手が足りないようであれば専門業者に依頼しましょう。

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