「裏」という言葉から少し怖いイメージのある「学校裏サイト」。小説やホラー映画の題材にもなっているので、この言葉を聞いたことがある人は多いかもしれません。
昔から存在している掲示板形式のサイトの気になる探し方や、インターネットやスマートフォンの普及によってより現代的に進化を遂げている事実など、学校裏サイトにまつわる情報をまとめました。もしも誹謗中傷を書かれてしまったらどう対処するかも記載していますので、困っている方はぜひ参考にしてみて下さいね。
学校裏サイトとは?
学校裏サイトとは、特定の学校に関する情報を取り扱う非公式のサイトのことです。インターネットの普及やスマートフォン所持年齢層の低下により、大学や高校だけではなく、中学校や小学校の裏サイトまで存在します。多くはその学校の在校生や卒業生などの関係者によって立ち上げ・管理されており、誰でもアクセスできる掲示板やSNSを使用したものから、パスワードを入力しなければアクセスできないサイトなど、種類は様々です。
学校裏サイトの見つけ方
自身が関係している学校に裏サイトが存在するのかどうか、気になりますよね。また、自分の子どもが通う予定の学校に裏サイトが存在するのか確認しておきたいご両親もいるかもしれません。しかし、学校裏サイトは基本的に通常の検索では引っ掛からないよう巧妙な工夫が凝らされいるので、通常の検索のように「学校名 裏サイト」などと入力しても、結果には出てこない事がほとんどです。学校裏サイトを探す時は、下記のようなリンク集やチェッカーを使ったり、大手掲示板サイトで検索してみると良いでしょう。
何が書いてあるの?
特定の学校におけるテストの内容や授業の難易度など、生徒同士の情報交換や相談の場所として利用される事もあります。しかしその一方で、個人が特定できる形での誹謗中傷、名前や住所など個人情報の掲載、写真や画像の掲載など、他者やその家族に不利益となる情報を晒し、集団でリンチするような「ネットいじめ」と言える使われ方が問題になりました。
“裏”はホームページだけではない?”裏LINEグループ”って?
現在、中高生が使用しているのはインターネット掲示板よりもLINEやDiscordなどのチャットアプリが主流となっています。時代の移り変わりにより、所謂「ネットいじめ」の舞台もSNSへと移行してきています。チャットアプリでは、何人かのユーザーをまとめグループチャットを作成する事ができますが、対象1人を外した「裏グループ」を作成し、グループに入っていないメンバーの誹謗中傷コメントや盗撮画像を共有するなどの使い方も一部で問題になっています。
とくに、2019年8月にLINE株式会社からリリースされた新機能「OpenChat(オープンチャット)」は、トークルームごとにプロフィールを設定でき、名前も変更できてしまうので、掲示板と似た用途で利用される可能性があります。中高生など若い層の利用率が高いアプリでもあり、今の学生たちはLINEで連絡を取り合うのが主流です。そのため、OpenChatが新たなネットいじめの温床となるのではないかと危惧されています。
学校裏サイトの問題点
LINEの裏グループなどを含め、「学校裏サイト」は匿名掲示板のような仕様のものが多く、書き込んだ側が誰なのかはぱっと見ただけでは分かりません。有益な情報交換など、ポジティブな内容のみがやり取りされているなら良いのですが、個人の誹謗中傷が話題になった場合、対面でのいじめとは違って攻撃性の高い暴力的な言葉が飛び交ったり、個人情報など犯罪性のある投稿をされる確率が高くなります。
また、書き込みの対象となる個人は生徒だけでなく教職員の場合もあります。「匿名性が高い」という点を逆手に取り、どうせ見つからないだろうという安心感が同調効果を加速させ、それまで無関係だった人もいじめに加担してしまいやすくなります。
学校裏サイトが原因で起こった事件
「学校裏サイト」という言葉が全国に広く注目を浴びたのは、2007年に兵庫県の滝川高校で起きた事件がきっかけと言えるのではないでしょうか。この高校の裏サイトに被害者である男子生徒への誹謗中傷や盗撮画像などが多数投稿されているのが見つかった事から、投稿内容が事件を引き起こす原因の一端を担ったと判断されました。裏サイトの存在や危険な使われ方がメディアに大きく取り上げられる事となりました。
その他にも、学校裏サイトを運営していた管理人が明らかに誹謗中傷と判断できるコメントの削除依頼に対応しなかった事で書類送検に至ったというケースもあります。こちらは、管理人自体が誹謗中傷を書き込んだ訳ではありませんが、「削除依頼が来たにも関わらず放置をした」という事が問題視され、名誉棄損のほう助をしたという判断が下ったためです。
学校裏サイトって消せるの?見つけた時の対策は?
学校裏サイトを作成する事自体に違法性はありません。そのため、誹謗中傷書き込みのないサイトに関しては、強制的な削除の実行は難しいでしょう。
もしも学校裏サイトに自分の個人情報が掲載されていた場合は、すぐにしかるべき機関に削除対応の相談をしましょう。
学校裏サイト関連の相談をしたい
学校裏サイトに関する相談を受け付けているサイトを下記に紹介します。インターネットで個人特定可能な情報を掲載した上での誹謗中傷は名誉棄損にあたる可能性が高いため、そのような被害があった場合には最寄りの警察署にも相談しましょう。
警察庁 インターネット安全・安心相談
警察庁のインターネットトラブルに関するトラブルシューティングのページになります。相談内容に関しての個別の回答は行っていませんが、全国から寄せられた様々なトラブルに関しての予防方法・対応方法が丁寧に解説されています。とくに対応方法は実際に警察で受けた事例に基づいた内容になっているので、とても分かりやすく参考になります。
法務省:人権相談
法務省人権擁護局のページになります。学校裏サイトに誹謗中傷を書かれたなどの相談に関しては、右下の「インターネット人権相談窓口」から「法務省インターネット人権相談受付窓口」のページに飛び、「人権相談の申し込み」のリンクから相談内容を送信して下さい。人権相談の申し込みは子ども用(SOS-e メール)と大人用に窓口が分かれているので、小中学生でも自分の言葉で相談する事ができます。こちらに相談すると、後日最寄りの法務局からメールか電話での回答が受けられます。
書き込みを監視したい!
学校裏サイトを発見したけれど、今のところ「ネットいじめ」にあたる誹謗中傷書き込みがない場合は、今後そのような書き込みがされた際に即座に対応できるよう定期的な監視をする事もオススメです。掲示板やSNSの監視を請け負っている企業に依頼するもの良いでしょう。
個人情報が載っていたので削除したい!
学校裏サイトで個人を特定できるような誹謗中傷を見かけたら、まずは管理人に連絡して削除の対応をお願いしてみましょう。しかし、管理者がサイトのみ作成した後に管理をせず放置状態の場合もあれば、学校裏サイトの管理者が現役の生徒だった場合、すでに誹謗中傷に加担している場合もあります。そういった時は削除の申請をしても無視されてしまいます。
自分や家族など親しい人を誹謗中傷する書き込みがあったとしても、感情的になって公開されたぺージに書き込むという行為は極力避けましょう。学校裏サイトの運営元が大きな掲示板だった場合、運営の方で削除のためのガイドラインを設けているサイトもあります。その場合は、その記述をよく読んだ上で削除申請をしましょう。
まとめ
「学校裏サイト」は、匿名性や書き込み内容の残忍さなど、アンダーグラウンド的なイメージが強いため、小説の題材になったりホラー映画化されたりなど、現在では世間一般に知られる存在となりました。インターネットが普及した当時はサイトや掲示板が中心だった裏サイトは、LINEやSNSなどを媒体とした裏サイトへと舞台は移行しつつありますが、まだまだ掲示板形式の学校裏サイトの設立は後を経ちません。個人を特定できる状態での誹謗中傷書き込みをされてしまった場合は、すぐに然るべき機関に相談し、削除申請を行いましょう。