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【炎上・情報漏えい防止のために】SNSに関する社員教育のポイント

ビジネスマナーや業界・商材についての知識など、新しく社員を迎えたときには様々な研修や教育が行われることと思います。こういった昔ながらの研修ももちろん欠かせないものですが、最近注目されているのがSNSやネットリテラシーについての教育です。

SNSが発達し始めた10年ほど前から、社員やアルバイト、内定者、顧客等による情報漏えいが日々起こっています。SNSを起因とした炎上による被害を防ぐためには、(それですべて防げるわけではないですが)社内の人間が問題のある投稿をしないよう教育するのが第一歩です。

ここでは、内部の人間に起因する炎上を防ぐための社員教育方法をアドバイスしていきます。

どんな投稿が炎上する?

どんな投稿が炎上する?

まず、SNSの炎上にはどんなものがあるかを知っておいてください。炎上内容をざっくりカテゴリ分けしてご紹介します 。

① 異物混入・不祥事 など

商品やサービスに問題があった場合、その不満は企業への直接のクレームではなくSNSに書き込まれ拡散されるケースがあります。特に若者はSNSに慣れ親しんでいるので、日常のちょっとした不満として気軽に書き込むこともありますし、SNSの影響力を知っているが故、社会的制裁を求めて拡散を狙うこともあります。

「食」や「衛生」に関することには日本人はとくに敏感ですので、ときには店の閉店・倒産に追い込まれることもあります。

② バイトテロ・悪ふざけ

アルバイトは若者が多いこともあり、不適切な投稿がされるのは、責任意識やリテラシーが低いことが一因でもあります。仲間内での度胸試しや悪ふざけで投稿してしまうこともあります。実際に「#バイトテロ」とハッシュタグをつけて投稿する人もいるくらいです。

また、SNSの中でも、特にInstagramのストーリーズ機能(投稿から24時間経つと自動的に投稿が削除される)は、投稿への心理的ハードルをかなり下げると考えられます。

しかしInstagramからは削除されても、それを見たユーザーに魚拓としてスクリーンショットや動画を取られてしまえば、Twitterやその他の媒体で拡散されて、なかったことにはできなくなります。

③ 情報漏えい・内部告発

現職者、退職者、内定者、アルバイトなど会社に関わるすべての人が、内部情報を漏らしてしまう可能性があります。特に会社に不満を持って退職した人などは、労働環境や社内の雰囲気について悪意を持って(もちろんそれが真実な場合もありますが)書き込んだり、現職者が改善を求めて書き込むこともあります。

こういった社内の問題が暴露されてしまうと、企業のイメージダウンに加え内定辞退やエントリー減少など、人材面にも悪影響を及ぼす可能性があります

④ 不適切な発言やプロモーション

企業の広告ポスターやCMが炎上することもかなり多くなっています。時代の流れとともに男女それぞれの権利や育児参加などについての意識が変化していることもあり、特にジェンダーや人権に関するものは炎上しやすいテーマです。一旦打ち出したプロモーションが批判を受けてお蔵入りになるケースが後を絶ちません。

「この企業ってこういう考え方するんだ」と冷ややかな目で見られてしまい、商品の不買運動や店舗への来客減少などに繋がります

SNSの炎上予防のカギは?

NSの炎上予防のカギは?

炎上する内容はわかったけれど、それを防ぐにはどうすれば良いでしょうか。実は、先述の炎上は①以外はある程度防止策を講じることができるものです。

その方法がズバリ社員教育。社員のネットリテラシーが高ければ、投稿内容に問題あるかどうかのある程度の判断がつきますし、SNSの使い方にも慎重になります。

炎上した後、会社や自身にとってどんな影響があるのかを正しく理解していれば、馬鹿な悪ふざけ投稿も減ります。どういった投稿が炎上するのかしっかり把握しておけば、プロモーションを企画する際も失敗する可能性が低くなります。

また、万が一炎上してしまったときに、経営者や広報の担当者がその後の対応をしっかりと把握できていれば、対応面での二次炎上を最小限に抑える事もできます。

※①については不測の事態の場合が多く、気をつけて防ぐことができないことが多いのです。この場合はネット上の「監視」を行うのがおすすめです。社員教育を行っていれば、情報漏えいや運用のミスが100%起こらないというわけではないので、「監視」も炎上を防ぐための大事な要素です。

ネットやSNSの社員教育の進め方

ネットやSNSの社員教育の進め方

社内にネットの書き込みやSNS投稿に詳しい人がいて、その人が正しくネットの使い方や危険性を正しく周知できればそれがベストですが、なかなか自信をもって「自分、炎上防止のための社員教育できます!」と言える人はいないんじゃないかと思います。

社員教育を行う場合、社員さんの年齢や普段どれだけSNSに接しているかによって内容を決めなくてはいけません。例えば、社員がSNSにほとんど触れたことがないような場合には「SNSとは?」「炎上とは?」という根本的なところから始める必要があります。

そういう細かい事情を把握して、最適な教育を行うためには、プロにお願いしたり研修支援システムを活用するのが最も良い方法ですが、なんとか社内で完結させたい!という方向けに、研修を行うときに押さえておきたいポイントをご紹介します。

研修で押さえるべき点

  • 投稿される媒体
  • 炎上する媒体
  • 実際に炎上した投稿
  • ガイドライン策定(できれば)

投稿される媒体

まずは、どんなところで炎上が起きて広がっていくのかを知る必要があります。個人レベルの投稿が行われるのは、主にSNSで、メジャーなのはTwitter、Instagram、Facebookあたりです。年齢が若い人はTwitter・Instagramは利用している人が多いと思います。Facebookはビジネス的に利用する場合もあるので、年齢層が上のひとも多く利用しています。

その他の媒体として5ちゃんねるや転職系口コミサイト(エン転職、openwork、カイシャの評判など)、ファイナンスやYahoo掲示板、個人のブログなどに口コミが書かれることが多いです。

特に退職者などは、会社に不満をもってやめていく場合も多く、転職系口コミサイトや5ちゃんねるには社内の雰囲気、組織構成、人間関係など、内部事情が赤裸々に書き込まれることもよくあります。

また、企業のプロモーションなどはTwitterやInstagramだけではなく、You Tubeなども使われるでしょう。

問題のある投稿がされやすい媒体

  • Twitter
  • Instagram
  • Facebook
  • 5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)
  • 転職系口コミサイト
  • You Tube

など

 炎上する媒体

では、上記に上げた媒体のなかで炎上がおこるものはどれでしょうか。

きっかけとなる内容が投稿されるのはどこの媒体でもあり得ます。ですので、(悪ふざけの動画などは論外ですが)日常の「ネット上の発信すべて」に気をつけるように注意をうながす必要があります

ただし、広く拡散されて人の目に触れるようになるのは、多くの場合Twitterです。「リツイート」と呼ばれる拡散のための機能がついていることが大きな要因です。投稿のスクリーンショットや動画をTwitterで再投稿することでどんどん拡散され、騒動が大きくなっていきます。Twitterで話題になると、投稿者の個人情報が特定されたり、5ちゃんねるでスレッドが立ち上がったり、マスコミにまで取り上げられたり…と取り返しのつかない事態にまで発展しています。

企業側で、炎上をいち早く感知するためには、Twitterを監視するのが効率的です。

実際に炎上した投稿

研修の中で、上記のような箇所に書き込まないように、と言ってもイメージがつかなかったり日常の投稿との線引きがわからないという人もいると思います。

研修時には実際に炎上したり、企業について記載のある投稿をみせるようにしましょう。研修を受ける対象者によって内容を変えてみてもいいかもしれません。

(例)内定者向け

実際に内定者が投稿している内容をピックアップしましょう。Twitterなどで「内定」「入社」などのキーワードで検索するといい例が見つかると思います。こういう投稿は会社からも世間からも見られている、ということを強調しましょう。

(例)アルバイト向け

 

会社に与えた損害や、その後の損害賠償など、軽はずみな行動がどういった結果を招くかというところまで伝えましょう。

(例)現職者向け

働く中で、顧客の個人情報や社外秘の機密情報などにふれる機会は多くあると思います。それを家庭で話してしまったがために、家族がSNSで情報漏えいをしてしまうケースもあります。家庭内でもSNSの使い方を一度話し合っておく必要があるかもしれません。

また、プロモーションを企画するような立場の場合、過去にどのような投稿がどのような理由で炎上したのか、把握しておきましょう。

④ ガイドライン策定

もう一歩踏み込んで対策を行いたい場合は、社員のSNS利用のガイドラインを策定しておきましょう。ガイドライン策定をする場合は、社内のSNSプロモーションの有無や社員のSNS利用状況にもよって必要事項が変わってきます。

素人がしっかりとしたガイドラインを作成するのはなかなか難しいので、これに関してはプロの手を借りたほうが良いでしょう。あなたの会社の現状をしっかりとヒアリングした上で、ポリシーやガイドラインを提案してくれると思います。

ある程度の費用はかかってしまいますが、ポリシーやガイドラインがきちんと定められている企業は信用度が上がります。また、万が一炎上してしまっても、会社としてきちんと対策は講じていたというアピールにもなるので、余力があるなら、是非検討してみてください。

まとめ

SNSに関する社員教育で、最低限押さえておいてほしいポイントをご紹介しました。

SNSでの炎上というのは本当に怖くて、株価の下落や信用定価にとどまらず、最悪の場合、閉店や倒産に追い込まれてしまうこともあります。また、問題を起こした従業員は、自業自得な場合もあれど、名前や住所が特定されてネットに残り続けたり、高額な損害賠償に苦しむことになります。

会社や店を守るというのはもちろんですが、従業員の不適切な投稿を防ぐというのは従業員を守ることにも繋がります。表に見えない部分までフォローできる企業は、従業員からの信頼も厚くなり、結果的に会社に不利益になるような事象を減らすことができ、好循環が生まれます。

目に見えて効果が見えるわけではないので、なかなか導入に踏み切れないという意見もあるかもしれませんが、SNSに関する教育は、現代の危機管理として絶対に必須な項目になってきています。ビジネスマナー研修を新卒に行わない会社は少ないと思いますが、それと同じことです。

長い目で見て組織の利益になることは間違いないので、是非皆さんの会社でも取り入れてみてください。

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