風評対策の方法

これからを生き残る企業にSNSリスク研修が必要な理由

SNSリスク研修_アイキャッチ

昨今、SNSからの発信をきっかけに炎上する企業が後を絶ちません。従業員の不適切な投稿、いわゆるバカッターやバカスタグラムが代表的ですが、それ以外も内部からのリーク、経営層の不適切な発言など炎上する内容は日々バリエーションが増えている状況です。

このような炎上事件はインターネット上の出来事ではなく、企業ブランドを著しく損傷し株価や売り上げなど企業経営に大きなインパクトを与えます。

これまではIT部門に関わる一部の人が受ければよかったのがSNSリスクでしたが、今やほとんどの年代がスマートフォンを手にしている令和の時代。従業員全てに不適切投稿や炎上を未然に防ぐために、どのような投稿が炎上に繋がりやすいのか、個人や企業にどのような影響を与えてしまうかなど、SNSに潜むリスクを理解してもらうことがこれからの時代を生き残る企業のマストになってきています。

SNSリスク研修が必要な理由

SNSリスク研修_理由先述の通り、SNSリスクは現代人と切っても切り離せない関係になり、個人の炎上も企業の炎上へと繋がってしまいます。ここでは事例と合わせてなぜSNSリスク研修が必要なのかを詳しく解説します。

SNSリスク研修が必要な理由①|企業の炎上リスクを防ぐことが出来る

企業アカウントの炎上は大きなリスクですが、その場合は担当者へのリスク意識の徹底で防ぐことが出来る場合があります。

一番怖いのは従業員個人のSNSが炎上した場合ですその場合、勤務先が特定されて社名も一緒に拡散されてしまうことが多々あります。

業務に関わる投稿を禁止すればいいと簡単に考えがちですが、そんな形だけの周知は無意味です。SNS上で実名や勤務先を明かすことのリスク、また実名や勤務先を明かさなかったとしても、写っている人の服装や背景など細かなところから人物や場所、状況を特定してしまう人たちが存在すること、その特定半と呼ばれる人たちがきっかけとなり炎上してしまうリスクを的確に伝える必要があります。

下記の記事ではいわゆるバカッターといわれる投稿を行い、勤務先や個人情報が特定されてしまった例を詳しく紹介しています

バカッターの炎上事例・特定後まとめ
バカッターの炎上事例まとめ!本人特定のその後「バカッター」によって炎上がおき、特定された投稿者の若者が、罪に問われる事件が起きています。2013年頃に、アルバイトが飲食店の冷蔵庫に...

SNSリスク研修が必要な理由②|コンプライアンスと密接な関係がある

かつてコンプラインスとは文字通りの「法令遵守」という意味で用いられてきましたが、昨今では「企業として社会的規範を守る姿勢」のことを指す意味へと変わってきています。

SNSの利用においても従業員の責任と切り捨てることはできない時代となっておりそういう事件が発生した土壌を育てた企業が悪となってしまう価値観がネットユーザーの多くを占めています。

また、法律の面においても企業が使用者責任を問われる場合も存在します。この場合が企業に過失がなくとも責任を問われるので気を付けなければなりません。

民法第715条(使用者等の責任)

1.ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。

2.使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。

3.前二項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。

例えば従業員が撮影しSNSに投稿したデスクの写真に取引先の重要なデータの一部が映り込んでいたことがきっかけで取引先が不利益を生じた場合、使用者責任に問われる場合があります。そのような事態を防ぎ、従業員個人の責任だけで済む問題ではないことを知ってもらうのも重要です。

SNSリスク研修が必要な理由③|プライベート利用でのトラブルも予防できる

最近増えてきているのがプライベート利用をきっかけとしたトラブルです。この場合は勤務先や取引先に関わる投稿によるリスクとは考え方が異なります。

皆さんはSNSや匿名掲示板などで有名人や政治家、インフルエンサーに対して暴言や悪口を書き込んでいたりしないでしょうか。これまではこういった書き込みには特に対応することはなかったのが主流でしたが、最近ではプロバイダ責任制限法に基づき法的手段を用いて書き込み主を特定、示談に応じなければ訴訟というケースが増えてきました。

事例:女性サイエンスライターへの誹謗中傷で慰謝料200万円

2017年7月頃から2018年3月頃にかけて継続的にツイッターで誹謗中傷を受け続けた被害者(サイエンスライター)が加害者を特定して慰謝料請求した事例。
加害者は被害者に対し「淫売」「夫は強姦魔」などと悪質な誹謗中傷の投稿を継続していました。

被害者が裁判を起こしたところ、被害者は無視して対応しなかったため原告の請求が全面的に認容され、慰謝料200万円、弁護士費用20万円、調査費用43万8000円の合計263万8000円の支払い命令が下されました。
※実際にかかった弁護士費用は100万円程度

謝罪文の交付命令も出ています。
(さいたま地方裁判所 令和元年7月17日)

本人の名前が開示される場合もあり、その際は個人情報、勤務先の特定へと繋がってしまいます。

プロバイダ責任制限法の施行以降、「バレないと思った」「みんなやってるから」などという言い訳は全く通用しなくなりました。思わぬところから企業の評判を下げることに繋がるのでしっかりリスク周知をする必要がある要素です。

SNSリスク研修の講師を探す際のポイントは?

SNSリスク研修_ポイントでは実際にSNSリスク研修をする際にどのように講師を探すべきなのでしょうか?今では様々な企業がこのような研修を行っていますが、なかなか決め手に欠け選定するのが難しいと思います。

予算はもちろん大切な要素ですが、下記に3つのポイントをよく見てみるのがおすすめです。

  1. 実績があるかどうか
  2. どんな企業が行っているのか
  3. 講義以外のオプションが存在するかどうか

SNSリスク研修の講師を探す際のポイント①|実績があるかどうか

まず一番気になるのが実績があるのかどうかです。大相撲協会が実施したことでも話題となったSNSリスク研修ですが、実績がないにも関わらずとりあえずやっている感を出している会社があるのも事実です。

ウェブサイト内の実績は必ず確認し、問い合わせの際にもどのような実績があるか聞いてみるとよいでしょう。

SNSリスク研修の講師を探す際のポイント②|どんな企業が行っているのか

SNSリスク研修の主な実施企業はいわゆる研修会社です。彼らはもちろん研修のプロなのでとても素晴らしい講義を行ってくれますが、どうしても活きた知識は教えてくれません。

最近ではWEB専門の風評対策会社やSNSモニタリングを行っている会社が研修を行うようになりました。実際に現場ではどのようなことが起きているかを話してくれるのが後者のような会社に研修を頼むメリットのひとつです。講師も比較的若い世代が多く、よりデジタルネイティブに近い視点で講義を行ってくれます。

検討する際はどのようなアジェンダで講義を行ってくれるか聞いてみるとよいでしょう。

SNSリスク研修の講師を探す際のポイント③|講義以外のオプションが存在するかどうか

実は一番大切なのがこのポイントです。講義を受けたけど来週には内容なんてほとんど覚えないない…そんな経験が皆さんにもあるのではないでしょうか?

講義だけの研修だと正直なかなか当事者意識は出ませんし身に付くことも難しいです。

講義のほかにワークショップや理解度テストなどがあれば社員への意識づけはより強固なものになります。より良い研修を実施するためにこの部分までコンテンツが行き届いている会社に頼むとよいでしょう。

まとめ|SNSリスク研修は令和の新常識

SNSリスク研修_まとめみなさんいかがでしたか?

会社の評判を維持するため、会社、または社員の炎上を防ぐためにはSNSリスク研修は令和の新常識になりました。まだまだ実施が出来ていない、実施したいけどどのような基準を持てばいいのかわからない、そんな人の参考になれば幸いです。

あなたの手のひらに数百億円の損失を与えるリスクを抱えたデバイスがあると思って日々の行動をしましょう。

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