誹謗中傷・風評対策

ネット風評被害にあった際のIPアドレス開示請求の流れ

IPアドレス開示請求の方法

IPアドレスの開示請求はどのように進めればよいでしょうか。ネット風評被害に遭った際、発信者を特定するために行うのが、「発信者のIPアドレスの開示」です。 本記事では、IPアドレス開示の目的や、「開示請求の流れ」「個人でも開示請求は行えるのか」を解説していきます。

風評被害とIPアドレスの開示請求

インターネット上で誹謗中傷にあたる内容の書き込みがされた場合に、ネガティブな情報の書き込みを行った発信者のIPアドレスが鍵を握ります。

インターネット上の掲示板などでは、自分自身の連絡先や氏名などの情報を明かすことなく、ユーザー名だけで自由に発言することが出来ます。匿名性が保証されることで、どのような内容であっても、自分の関心のあるテーマについて、自由に発言することが可能になるのです。

IPアドレスとは?

IPアドレスとは?開示請求について
IPアドレスは、インターネットに接続されたパソコン一台ごとに与えられた、いわば識別番号です。「192.168~」から始まる数字を見たことはないでしょうか?それが、パソコンのIPアドレスです。

誹謗中傷と、発信者のIPアドレス開示請求

このIPアドレスはパソコンごとに固有の値であり、別のパソコンが同じIPアドレスを持つことはありません。つまり、Web上で名前や住所をあらわしているのが、このIPアドレスです。

つまり、誹謗中傷や、ネット風評被害にあった際、発信者のIPアドレスを開示させることで、発信者が「どこで」発信しているのかを特定することが可能となります。

IPアドレスと開示請求に関わるログ

WEBサイトのデータは、インターネット上のサーバー上にあります。サーバーには、サイトにアクセスした全サーバーのログが記録されています。

何月何日の何時に、どのIPアドレス、どういう環境からアクセスされたかが詳細に記録されていて、サイト管理者はこのログを閲覧することが出来ます。

IPアドレスの開示請求とは

サーバー上のログを確認することで、誹謗中傷が書き込まれた時のアクセス状況を確認し、どのIPアドレスから情報が書き込まれたかを割り出すことが出来ます。

誹謗中傷を書き込まれた側から「開示請求」を行うことで、このログ上に記録された、発信者のIPアドレスを把握することが可能です。

開示請求の目的、IPアドレス把握の必要性

IPアドレス開示請求の目的
たとえば、匿名掲示板で犯罪予告など、事件性の高い書き込みをした人物が逮捕されているニュースを観たことがあるかと思いますが、この特定に至る背景には「IPアドレスの特定」というプロセスを挟んでいます。

ただし、このIPアドレスを開示する作業には、時間と料金がかかります。投稿の削除だけでなく、IPアドレスを開示する目的は、「何らかの事件性が認められるなど、発信者を特定する場合」に限られます。

それでは、このIPアドレスを開示する流れを、解説していきます。

IPアドレス開示請求の流れについて

実際に、名誉毀損・プライバシー侵害にあたるような誹謗中傷の書き込みを発見した際、IPアドレス開示~発信者の特定に至る流れは下の流れで進んでいきます。

  1. 書き込み情報の保存(サイト名・サイトURL、書き込み内容のスクリーンショットなど)
  2. サイトの運営者に、「発信者情報開示請求」に則り発信者のIPアドレスの開示請求をする
  3. IPアドレスをもとに発信者のプロパイダを特定する
  4. プロパイダに「発信者情報消去禁止請求」をする
  5. プロパイダに「発信者情報開示請求」に則り、発信者(契約者)の住所、氏名を開示させ、特定
  6. 発信者に対し、民事事例での損害賠償請求、あるいは刑事告訴を行う

上記の流れは、個人でも行えますし、弁護士に依頼すると非常にスムーズです。名誉毀損やプライバシー侵害などが明確に認められるような内容であれば、手続きも迅速になるためです。

弁護士と相談しつつ、慎重に検討すると良いでしょう。それでは、最後に上記の流れが「個人でも可能なのかどうか」を解説していきます。

IPアドレス開示請求は個人でもできる?

個人でもIP」アドレスの請求は可能?
まず、2ちゃんねるなど、弁護士を通さないと開示請求に応じない管理者、プロパイダがあることは知っておく必要があります。そのため、個人で開示請求ができるのは、任意の開示請求に応じてくれるサイトやプロパイダのみです。

個人で直接プロパイダに開示請求をするには、「プロパイダ責任制限法」で定められている「発信者情報開示請求権」を行使します。IPアドレスまでは、サイト管理者側も個人での請求に応じてくれる場合が多いようです。

ただし、プロパイダが個人に、発信者の住所や氏名などの個人情報を開示するケースは多くありません。弁護士や、裁判所を通して開示請求を行わなければ、多くの場合は難航する場合が多いようです。

総合して、すべて個人で開示に成功し、訴訟に成功するケースはまれといえます。弁護士に依頼するのがスムーズかつ、賢明でしょう。

意見照会書とは?開示請求のための意見把握

意見照会所とIPアドレス開示請求

意見照会書は、開示請求があった時に、サイト管理者に送信し、意見を聞くための照会書です。

誹謗中傷で開示の訴えを起こしている方、全てが正しい主張を発しているとは限りません。照会書には、もし、発信者情報の開示に同意しない場合には、その理由を記載する旨や、同意がない場合でもプロバイダの判断で情報が開示される場合がある旨が記載されています。

IPアドレス開示請求に当たって、こんな時どうする?

開示請求は、普段、インターネットで情報発信する場合には、用いることのない申請です。「プロバイダ責任制限法」と呼ばれる、情報の発信者やサイト管理者などの責任を定義した法律によって、定められている手続きですが、手続きに不慣れたかたも多いため、ユーザーがよく突き当たる問題などをまとめました。

管理者のログ保管について

IPアドレスのログを開示請求する
サイト管理者のサーバーには、サイトにアクセスしたユーザーのログが日々、記録されています。

ここで注意点があります。使用しているサーバーによっては、アクセスログを取得することが出来なかったり、ログの保存期間が決まっている場合もあります。

サイト管理者が開示請求に応じて、ログの調査を行い始めた途端、そもそも該当のアクセス日時のログまで辿り着けないという状況も珍しくありません。

請求者の開示請求に対応すること自体は、サイト管理者の義務ではありますが、ログを保管することは義務とされていない、この点を注意しましょう。

IPアドレスがプロキシ経由の場合、開示請求は可能?

サイト管理者が開示請求に応じ、誹謗中傷の書き込みを行った、ユーザーのIPアドレスが判明したとします。しかし、ここで1点、問題があります。該当のIPアドレスが、本当に情報を書きこんだユーザー自身のIPであるのか、という点です。

プロキシサーバーと呼ばれる、自分のIPアドレスを隠すことが出来るサービスなどを利用して、海外のIPアドレスからアクセスしているように、自分自身の痕跡を残さないようにサイトにアクセスして、誹謗中傷を書き込んでいるとしたら、少し状況は困難になります。

この場合に、記録されたIPアドレスは、書き込みを行ったユーザー自身のものではなく、海外のサーバーを経由した、全く別のアドレスになります。

プロキシによって隠されていない、本当のIPアドレスを知りたい場合には、プロキシサーバーの運営元に働きかけて調査する必要があり、情報を突き止めることが、難しくなります。

警察には連絡した方が良いのか?開示請求時の留意点

発信者に書き込まれてしまった誹謗中傷が名誉棄損に該当する場合には、警察が動いてくれる可能性があります。ただ、事件性が薄かったり、証拠が揃っていないと、受理されても、なかなか操作が進まなかったりします。

警察に連絡する場合には、しっかり証拠となる材料を揃えておきましょう。

IPアドレスの開示請求には費用がかかる?

開示請求を全て自分で行う場合には、掛かる費用は、印紙代などの手続き費用のみです。しかし、相手方が請求に応じない場合や、すぐに解決しない場合もあり、開示を受けるまでに数か月の時間を要する場合もあります。

自分自身で全てを解決しようと考えると大変な労力が必要な場合があります。そのため、弁護士に依頼する場合には、5~20万の相場を見ておくと良いでしょう。

まとめ│IPアドレス開示請求は、仕組みを理解して対応

IPアドレスの仕組みやサーバーログ、開示請求の実務回りについて解説しました。開示請求を行う場合には、サイト管理者や、相手方の発信者など、色々な人が関与し、誹謗中傷の問題解決には時間を要し、心理的な負担も大きくなります。

状況が好転しない時には、法務局や弁護士などに相談してみましょう。