サジェストに表示されるワードや、サジェスト汚染が起こった時、改善に使えるサービスにはどのようなものがあるでしょうか。会社や個人のネームバリューを守りたいと考えたときに、サジェストにどのようなワードが表示されるかという観点は、非常に重要な要素です。
サジェストにどのようなワードが表示されるか、調べるツールや、ネガティブなワードが表示されてしまった時の改善に利用できるサービスなどを紹介します。
検索エンジンのユーザーとサジェスト機能
企業や個人のインターネット上の情報発信を考えるうえで、GoogleやYahoo!などの検索エンジンが大きな影響力を持つようになりました。
社名や個人名のネームバリューにポイントを置くと、ユーザーが検索した時に、多くの人が知りたいと考えている新鮮な情報が上位に表示されているか、ネガティブな情報が表示されていないか、という点が非常に重要な要素となります。
また、サジェストに後ろ向きな関連ワードが表示されていないか、ということも見逃してはいけません。このサジェストに表示されるキーワードは、どのように決まるのか、見ていきましょう。
サジェストとは
検索エンジンに自分が知りたいキーワードを入力すると入力したワードに関連した追加のキーワードが表示されます。
内容を見てみると、東京タワーへのアクセスや、タワー周辺のイベントやレストランなど、東京タワーに関係したワードが自動的に表示されていることが分かります。
サジェストは、このようにユーザーが知りたいと考えて入力したキーワードについて、関連したワードの入力補助をしてくれます。
サジェストに表示されるキーワードの基準
サジェストに表示されているキーワードを見ると、東京タワーと無関係なワードが含まれていないことが分かります。
これらはランダムに表示されているのではなく、検索ユーザーが過去に調べて検索回数や、インターネット上にどのような情報が存在しているかという点で決まります。
ユーザーがこれまでにどのようなワードを入力して、どのページを閲覧したか、という累積のデータを「検索クエリ」と呼び、Googleはこのクエリデータを元に、サジェストにどのようなワードが表示されているかを決めています。
この仕組みによって、必然的にサジェストに表示されているワードは、入力されたワードについて、多くのユーザーが「知りたい」と考えている内容に関するものとなっています。
サジェスト把握に利用できるサービス
サジェストに表示されているキーワードは、インターネットを利用する検索ユーザーが「知りたい」と考えているニーズを反映したものであると言えます。
自分が調べたいと考えているキーワードに関連するワードに、どのようなものがあるかを調べるには、サジェストを抽出するツールを利用します。
関連するワードを一括で調査できるため、多くの人が調べたいと考えているニーズの動向を知ることが可能です。
結果が見やすいサービスgoodkeyword
シンプルで見やすいgooglekeyword。GoogleやBingのサジェストワードや、Googleトレンドの検索ボリュームなども閲覧することが出来ます。
関連するワードが一覧で、見やすく把握することができ、多くのユーザーに使用されています。
セルで区切られた一覧のように表示できるため、そのままテキストデータとしてコピーして、他のアプリケーションなどに転載して、統計データとしても使えます。
関連キーワード取得ツールはサジェスト以外のニーズ把握も見れる
関連キーワード取得ツールもgooglekeywordと同様に、自分が知りたいキーワードについてのサジェストが一覧で抽出することが可能です。
関連ワードが、あいうえお順、アルファベット順で表示されるため、こちらもリストのようにデータを転載して活用することが出来ます。
googlekeywordと比較すると、若干エンジニア向きで、見やすさには配慮されていない部分もありますが、非常に精度が高く調べることが出来ます。また、入力したキーワードについてYahoo!知恵袋や、教えて!Gooの利用者がどのような質問を投稿しているか、同時に調べることが出来ます。
サジェスト汚染と、改善に使えるサービス
サジェストは検索ユーザーを補助して、検索の効率を増す機能です。しかし、便利さの弊害として「サジェスト汚染」と呼ばれる、問題が発生しています。
サジェスト汚染は、企業や個人のネームバリューを低下させる風評被害として、深刻な影響を及ぼす可能性もあるため、インターネット上のブランド力が必要な、今の時代には避けては通れない問題です。
サジェスト汚染の詳細や、もし被害にあってしまったらどうするか、対応策まで紹介します。
サジェスト汚染とは
インターネットの利用者が、企業名や個人名で検索をかけるとき、そのユーザーは、会社自体、また本人自身が発信している情報だけではありません。第3者が、会社や個人に関して発している評判や口コミなどの中立的な意見を求めています。
就職先を探している学生が、検索エンジンで社名を入力する時、本人が知りたがっているのは、会社情報やサービス内容だけではなく、その会社が、消費者や他の学生、求職者の目線から、どのように見られているかという点です。
求人サイトなどにネガティブな体験談が書き込まれていないか、実際にその、会社の商品を利用した顧客が、どのような感想を発しているか、というポイントを見極めて、「本当にこの会社に入社しても、安心なのだろうか」「長く働いていけるのだろうか」という判断基準を掴みたいと考えています。
この時に「〇〇株式会社 ブラック」「〇〇株式会社 パワハラ」などのサジェストを発見したら、どのように感じるでしょうか。問題のある会社かもしれない、と捉えて、採用の応募を止めてしまうかもしれません。
またサジェストに、後ろ向きな関連ワードが表示されてしまうことで、ネガティブな情報が検索されやすくなり、学生はポジティブな情報を見つけ出しづらくなります。
「サジェスト汚染」と呼ばれる、このようなネガティブワードが表示されてしまう状態は、長い時間を掛けて、社名や個人名のネームバリューを低下させて行きます。検索エンジンは、ワードの検索回数や、ユーザーの関心を元にした検索クエリによって、サジェストに表示されるキーワードを決定しています。
一度、サジェスト汚染が発生すると、社名とネガティブワード、ネット上のネガティブな情報を含んだページが結びつきやすくなります。これが繰り返されることで、会社や個人の名誉を低下させる情報が、ユーザーの目に触れる機会を増やしてしまい、ネームバリューが低下に歯止めが利かなくなります。
もし、サジェスト汚染の被害にあったら、早めに対処しましょう。
削除依頼を申請
Googleはサジェストに表示される検索ワードについての削除ルールを「オートコンプリートポリシー」として、定義しています。差別的な表現や暴力的な表現が含まれていたり、法的に削除する妥当性のあるワードは、オートコンプリート違反として、自分で削除申請を送ることが可能です。
申請したい場合には、「法律に基づく削除に関する他の問題を報告する」のフォームより詳細を記載してリクエストを送りましょう。
「自分で削除するのが大変」「どのような法律に反しているか、判断が出来ない」という場合には、弁護士に相談することで、削除の代行を依頼することも検討できます。法律の知識が方法で、インターネットのトラブル対応の実績が多い弁護士に依頼することで、削除が成功する可能性が高まります。
誹謗中傷業者に依頼する
サジェスト汚染が発生したり、検索結果にネガティブな情報が上位表示されてしまったり、風評被害が起こった時の対応先の1つとして、誹謗中傷対策業者が挙げられます。
対策業者はインターネットのトラブルに対処する知識が豊富で、サジェスト汚染が深刻な場合や、Googleのオートコンプリートポリシー違反に該当する削除申請が出来ない場合などに、削除以外にどのような対応が出来るか、相談することが出来ます。
自分での削除申請や、弁護士に相談しても解決が難しそうな場合には、業者への相談も検討しましょう。
まとめ・サジェスト汚染に対する対処のサービスを普段から理解しておこう
サジェストはインターネット上の検索ユーザーのニーズが反映されています。どのようなキーワードが表示されるかを知っておくことで、企業名・個人名に対して日本中のユーザーがどのような印象を抱いているか、何を知りたがっているか、という動向を把握することが出来ます。
ネット上に公開されているツール・サービスは、これら多くのユーザーのニーズ把握を効率的に行うことを助けてくれます。ユーザーの関心を把握する上で、サジェスト汚染という新たな問題にも向き合いましょう。いまやネット上のユーザーの多くは、日々、炎上ネタを探しています。一旦、炎上の火種が起こると、野次馬となるユーザーが企業名や個人名に関するネガティブな情報を発信し続けます。
多くのユーザーが、後ろ向きな情報を拡散することで、検索ワードと、ネット上の情報が結びつきやすくなり、ネガティブなサジェストが表示されやすくなります。このような風評のリスクが起こらないようにするために、名前のブランドセキュリティを検討することも重要です。