「バカッター」によって炎上がおき、特定された投稿者の若者が、罪に問われる事件が起きています。2013年頃に、アルバイトが飲食店の冷蔵庫に入ったりする「バイトテロ」のブームが起こりました。それからしばらくして鎮火しましたが、2019年現在、新たなバカッターの事件の波が立ち始めています。
バカッター・バイトテロの炎上とは?
バカッターという言葉自体は、酷い内容のツイートを行うツイッターユーザーの様子を表す、インターネットスラングです。バイトテロは、アルバイト先での悪ふざけを動画で撮影して、SNSやYoutubeなどの動画共有サイトにアップして、社会問題化した現象を言い表します。
2013年には、バカッターによる投稿が増えた状況を産経新聞が一面で取り上げました。また、この言葉が、ネット流行語大賞に選ばれました。
2019年には、投稿する場所が、Instagramに移り「バカスタグラム」という新たな用語が生まれました。
店員が魚をゴミ箱に入れ、まな板にのせたバカッターが特定される
アルバイトの悪ふざけが、会社に大きな損失を与えてしまった事例です。
該当の魚は、事態を発見した責任者によって、処分されたものの、店舗には抗議の電話が殺到して、これによって、株価は、-130円下がり、27億円の損失が発生しました。
出来心による悪質ないたずらが、大きな経済的損失まで招いてしまったのです。インターネット上の拡散は、非常に慎重に行わなければならないと再認識させられる事例です。
から揚げを床に擦り付けて料理してしまうバカッター
上の事件と同様に、食品を提供する業界は、バカッターの行動により、不衛生さが指摘されて、炎上してしまうケースが非常に多いです。
店舗側は、実行犯と撮影者を特定することが出来ず、警察に被害届を出した事件です。バカッターの行動により、こちらの事件も株価の下落をまねています。
大規模のチェーン店などで、バカッターによる事件が起こると、組織内での実行者の特定が非常に難しい場合があります。
バカッターはどのように特定されるか?
バカッターの投稿によって、炎上が起こり、企業のブランドイメージが傷つけられることで、企業側の社会的地位が低下させられます。これは、名誉棄損に該当するため会社側は、バカッターの事件を起こした、アルバイトに対して、訴訟を起こすことが出来ます。
発信されている情報からバカッターの本人情報を特定する
バカッターの不祥事によって、不利益を被ってしまった時に、うつべき方策は、該当の情報を削除することと、発信者であるバカッターの情報を特定することです。
アップロードされた動画に、周辺の地域情報が映り込んでいる場合があります。また、顔が隠されていても、本人の身長や背格好なども、映り込んだ情報を元に把握可能なケースもあります。
またTwitterやYoutubeに紐づけられた他のアカウントなどの情報を辿ることが出来れば、本人のプロフィールや経歴などを辿ることができる場合があります。
警察や調査会社などは、このような情報をもとに、本人特定のための情報を集めていくのです。
バカッターの発信者を特定する開示請求
上のように、動画に映り込んだ情報を元に、本人特定にあたる手段もありますが、インターネットのネットワークの情報を元に、発信者本人の情報を特定する方法もあります。
インターネット上のトラブル解決は「プロバイダ責任制限法」という法律によって定められています。この法律では「発信者情報開示請求」という手続きによって、被害者側が、名誉棄損にあたる情報を発信している発信者の情報を特定することが可能となっています。
この法律のルールに乗っ取れば、バカッターとなった実行者の情報は明らかになります。
バカッターのIPアドレスからプロバイダを特定し、情報特定をする
SNSや掲示板のサイトでは、名誉棄損で被害に合った人のために、運用者側に開示請求を行うことで、発信者のIPアドレスを特定することが可能なのです。具体的な情報の特定は下の流れで進んでいきます。
- サイトの運用者にIPアドレスの開示請求を行う
- 開示されたIPアドレスから、プロバイダを特定する
- プロバイダに対して、開示請求を行い、発信者の情報を特定する
バカッターの行為を行った発信者の情報を直接的に把握できなくとも、上の流れで手続きを進めれば、間接的に相手方の情報を把握することが可能です。そのため、当事者の側から見れば、一時的に動画で注目を集めたとしても、自分自身の情報を把握されてしまい、結局不利益を被ることになってしまうのです。
バカッター行為で、身柄を特定された人のその後は?
注目を集めて世間を騒がせてしまうバカッター、メディアに取り上げられて、場合によっては、企業側に訴訟を起こされてしまうこともあります。実際にバカッターとして事件に発展した当事者は、その後、どのような展開にあっているのでしょうか。
バカッター行為後、本人特定され就職や進学が困難に
10代のバカッター事件の事例です。
体育祭の準備に明け暮れる高校生のAさんは、友人との飲酒・喫煙中の写真をtwitter上にアップしました。本人に悪意があったわけではないのですが、写真が炎上してしまいました。警察や学校にもネットユーザーの通報が届いて、大問題になっていました。
これによって、就職の推薦枠からも外されてしまい、友人も大学進学のスポーツ推薦枠か外されてしまいました。
たった1つの投稿が炎上したことで、自分の将来が台無しになってしまったのです。ネット上では、誰もが個人を揶揄するネタを探していることを痛感する事件です。
本人特定されて賠償請求 バカッター行為の代償
バカッターによって、損害賠償請求まで検討された事例です。
Bさんは2013年に東京・足立区のステーキハウスで、店舗のキッチンの大型冷凍庫に入りこんで、顔だけ外に出している状態を写真におさめて、ツイッターにアップしました。
世間的に、炎上が社会問題になっていた時期のため、投稿はすぐに炎上しました。プロフィール情報から、本人が特定されて、個人情報が拡散されてしまいました。
これによって、店舗へ苦情の連絡が入り、会社側はBさんを解雇しました。しかし、炎上の勢いは止まず、批判の声も収まらず、最終的に店舗は閉店にまで追い込まれました。
ステーキハウスは、当人に対して、損害賠償の請求する方針を発表しました。本人は顔や住所・出身校など個人情報が特定されているため、外出できないほど精神的なダメージを負ってしまい、現在、所属する専門学校には通えていません。
悪意がなくても炎上によって、社会的な制裁を受けてしまうバカッター行為の恐ろしさが垣間見えます。
バカッター行為の特定後、関係者への損害が多大
バカッター行為によって、被害者側の経済的損失、精神的な打撃が非常に大きかった事件です。
2013年に蕎麦屋の食器洗浄機に入って、洗浄機で現れるという動画をアップして、炎上しました。アルバイトの教育や店舗の衛生面に対する指摘のクレームが相次ぎました。
繁盛していた店舗はこの1件によって、経営不振に陥り、再起に向けて家族が奮闘するも、蕎麦屋は破産に追い込まれました。当時の店主は自殺し、妻は当事者に対して賠償請求を行いました。
関係者の損失と、無念の気持ちを察すると居た堪れない事例です。
まとめ│バカッターは特定され、代償が大きい
バカッター・バイトテロは、本人側からすれば、悪びれた情報を発信することで、感情を発散するという気持ちがあるかもしれません。
しかし、これまで起きたバカッター・バイトテロの事例を見ても、店舗側、会社側に不利益を与えた挙句、顧客側にも不快な思いをさせた結末として、自分自身が損をするという負の連鎖しか生み出していません。
世間的に誤った行動をとることで、自分の情報を特定されて、訴訟を起こされてしまうことがありますので、上のような例に発展しないように、情報発信には十分気を付けましょう。