誹謗中傷・風評対策

名誉棄損はどのような責任を問われるか。事例や免責になるケースを紹介。

「名誉棄損」という言葉は知っていても、具体的にどういった事例が名誉棄損にあたるのかは、ハッキリと把握していない方も多いのではないでしょうか?

そこで「名誉棄損の定義」について、また事例や免責されるケースなども交えてわかりやすく解説していきます。

名誉棄損の定義について

名誉棄損の定義について
名誉棄損の定義は、「個人に対して事実を提示し、公然と社会的地位、評価、信用、名声などを傷つけること」と定められています。この「公然と」というのが定義として重要で、名誉棄損が成立するには、不特定多数が見られる場所である必要があります。

「公然性」は、ネット上の書き込みや雑誌の記事などはもちろん、周囲の第三者が内容を聞けるような状況であっても成立します。公共の場所であれば、情報が伝達する可能性があるためです。逆に、当人たち以外に誰もいないような場所では、公然性は認められません。

この「名誉棄損」は、間違えやすい点として、類似の罪がいくつか存在します。例として、名誉感情を傷つけられた場合でも、その内容が事実でない場合は『侮辱罪』にあたります。また、傷つけられたものが名誉感情ではなく、支払能力や経済活動評価などの「経済的信用力」だった場合、『信用毀損罪』とみなされます。

他にも、会社の経済活動に対して悪影響を与えるような、誹謗中傷であった場合、業務妨害罪が適用されるケースもあります。名誉棄損に近い刑法は多くありますので、ケース別にみていきましょう。

名誉棄損の法的な責任

名誉棄損の法的な責任
名誉棄損には、「民事事例」と「刑事事例」があります。実のところ、名誉棄損罪は民事事例が圧倒的に多く、主に「損害賠償請求」や「出版物等の販売差止め」などが争点となります。以下、事例をいくつかピックアップしました。

名誉棄損の民事的責任

民事事例において「名誉棄損」に至ったケースは、主に「ネット上の書き込み・雑誌や新聞紙などの記事」をはじめとする表現物が大半です。雑誌やWebに掲載される文章は、上述した定義にあてはまる「公然性」がきわめて高いものですから、とりわけ個人の外部的名誉を傷つけやすい媒体であるといえます。

特定の人物や団体に対して、相手の社会的地位を低下させるような発言を行い、精神的な苦痛を与えてしまったりすると、名誉棄損に該当します。

この場合、被害者は加害者に対して、損害賠償を請求することが可能です。

また、ネット上の書き込みであれば、削除を求めることが出来ますし、名誉回復の措置として、謝罪広告の掲載などの措置を求めることもできます。

名誉棄損の刑事的責任

名誉棄損罪に反してしまうと、3年以下の懲役や50万円以下の罰金などが科せられてしまいます。

ネット上で軽い気持ちで誰かの名誉を傷つける発言や投稿を行うことで、相手方に刑事告訴されてしまうことも珍しくないのです。

名誉棄損の免責になる場合

名誉棄損の免責になる場合
「一見して、名誉棄損に見える事例」であっても、被害者側に落ち度がある場合、名誉棄損にはあたらないケースもあります。以下のような免責事由3つをすべて満たす場合、名誉棄損罪は免責されます。

  • 公共の利害に関する事実にかかわるものであること
  • 専ら公益を図る目的があること
  • 真実であると証明されるか、真実であると信ずるについて相当の理由があること

「事実の公共性」が名誉棄損の要素

公開した事実が、自分だけでなく、公共の利害に関わる場合に「事実の公共性」が認められます。

汚職についての名誉棄損例

ネット上で、政治家の汚職を告発するような書き込みを行ったとします。

この場合、相手の政治家の名誉を傷つけ、社会的地位を低下させる可能性があります。しかし、政治の問題に関わり、公共の利害を左右するような事実であれば、世の中にとって必要な情報をみなされ、相手の名誉に関わることよりも、この公共性が勝って、名誉棄損と見なされない場合があります。

悪意を持って、相手の名誉を傷つける場合には、この公共性に欠ける事例ばかりです。インターネット上の発言の場合、この公共性が大きく、発言の意味を左右するので、注意が必要です。

「目的の公共性」

発言の目的が、公的な利益を図る内容であれば、名誉棄損の免責の対象となります。

公共性があれば、名誉棄損とみなされない

例えば、掲示板でテロの予告に対しての継承を発言したとします。もし匿名を上げて、相手の名誉に関わる発言を行ったとしても、テロリズム自体が世の中に対して、害悪をもたらします。

発言を行うこと自体が、公の利益が関わる内容であれば、公共性を守る、善なる発言とみなされます。

「内容の真実性」も名誉棄損の免責対象

もし、事実も目的も公共性があったとしても、内容自体に嘘が含まれていたら、前提が崩れてしまいますので、意味を成しません。

真実の内容であって、公共性を持ちうる発言にのみ、名誉棄損の免責対象となります。

どういう発言が名誉棄損に当たるの?

どのようなことが名誉棄損に当たるか
名誉棄損の法律としての概念はこのような内容だとして、それでは実際に、どのようなインターネット上の発言が名誉棄損に該当するのでしょうか。事例を見ていきましょう。

2chの書き込みによる名誉棄損の訴え

掲示板の書き込みによって、名誉棄損が発生した事例を紹介します。

名誉棄損には、下の構成要件があります。

  • 公然と
  • 事実の提示によって
  • 他人の
  • 社会的評価を低下

掲示板に誹謗中傷を掲載することはこの要件のうち「公然と」に当たります。インターネット自体が多くの人の人の目に内容が公開される場所での発言を前提としているため、この項目に該当しやすいのです。特に芸能人をネタにして誹謗中傷を行うユーザーが一定数います。

例えば「〇〇は不倫をしている」などと書き込みを行うと「事実の提示によって」という要件委該当します。

虚偽広告の体裁による飲食店の名誉棄損例

飲食店の名誉棄損例
あるネットランチャイズによる飲食店の加盟店の募集を行う企業の名誉を棄損した事例があります。こちらは、少し手の込んだ誹謗中傷の発信の方法を行っています。

企業の社会的評価を下げた名誉棄損例

該当の飲食店が、まるで虚偽の広告を出しているかのように「飲食代の 4~5%がカルト集団の収入にる」などと、悪質な表現で名誉を棄損したという状況でした。このような発信を行うことで企業の「社会的評価を低下」させます。

WEBサイト、ツイッターやFacebookなどのSNS、Youtubeなど、私たちは、ネット上で発言のしやすい環境に恵まれています。

上の例は、誹謗中傷の仕方に悪意を感じますが、悪ふざけのつもりで特定の人物や企業の中傷を行うことで、ある日突然、相手方から訴えられてしまうことも珍しくないのです。

まとめ│名誉棄損にあったら、法的な解決が必要

インターネット上の書き込みにおいても、名誉棄損罪は充分に成立しうる刑法のひとつです。個人や団体問わず、公然と名誉を傷つけるような書き込みをみた場合は、毅然とした態度で対応することが重要です。

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