自分のブログ、または他人のブログでの誹謗中傷。有名になって、インターネット上での露出が増えれば増えるほど、誹謗中傷ともとれる心ないコメントを目にする機会は多くなります。もしも自分が被害に遭った場合は一体どう対処すれば良いのでしょうか?
本記事では、そうしたコメントへの対処方法を紹介。ブログに誹謗中傷を書き込む人の心理に触れながら、「自分のブログに誹謗中傷コメントが書かれていた場合」「他人のブログで自分への誹謗中傷が書かれている場合」の2つのケースを例に、解説していきます。
ブログで誹謗中傷する人の心理って?
ブログに誹謗中傷を書き込む人の心理は様々です。ただ単に「暇だから」「みんなも書いているから」「なんとなく」という理由で他人のあら捜しをして書き込む人が一定数いる事も事実です。また、憶測を含むものや誇張された内容が書き込まれる事も珍しくありません。
誹謗中傷をブログに書き込む事の心理は、大きく分けて3パターンあり、ひとつめは「妬み・僻み」、ふたつめは「過剰な被害者意識」。そして最後は「承認欲求を満たすため」に当てはまる場合が多いです。さらに、ブログなどある程度の匿名性のある媒体では、自分の実生活に支障をきたす可能性が少ないため、一般的に見てマイナス評価を受けるような行い(他人の悪口を平気で書き込むような行い)をしやすいと言えます。
ブログへの誹謗中傷 基本の対処方法は無視をすること
自分が管理しているブログのコメント欄など、自分が削除する権限を持っている場での誹謗中傷コメントには粛々と対処すること、メールやSNSなどは基本的に反応せず無視を貫くことが基本です。(ただし、後々法的に対応する場合に提出する証拠として、書き込まれたコメントのスクリーンショットなどは残しておくようにしましょう。)匿名での誹謗中傷コメントは、基本的に発信者側が法的な責任を持つ事を前提に書き込んでいるものではないので、こちらから返信する義務もありません。
それでも、誹謗中傷のコメントや記事のせいで実生活に影響が出てしまったり、自分の身に危険が迫っていたり、精神的に苦痛を強いられてしまったりして無視出来ない状況になってしまった場合にはどう対処すれば良いのでしょうか?具体的なブログでの誹謗中傷の対処方法を解説していきます。
自身のブログで誹謗中傷された場合
不特定多数の人が閲覧できる公開型のブログを運営している以上、誹謗中傷コメントを100%排除するのは不可能です。かといって、コメント欄など第三者に目につく場所での誹謗中傷コメントは、放置して残しておくとそこからまたさらに別の場所に転載されるなどしてエスカレートしてしまうおそれがあります。自分のブログに誹謗中傷を書かれてしまった際の対処方法を以下にまとめました。
コメントの削除機能を使う
誹謗中傷のコメントに対しては、反応、反論するとさらにエスカレートして書き込まれてしまう事があるため、そういった事はせずに粛々と削除してしまいましょう。自分の開設しているブログの運用ルールは当然自分で決める事ができるため、自分の記事についたコメントを削除する権利は自分にあります。
ブロック機能や制限機能を利用する
執拗な書き込みを行う人に関しては、ユーザーのブロック機能を使ったり、コメントを書き込む際の使用禁止ワードを設定する機能を使ったりする事が有効です。コメントを承認制にする事も、時間や手間はかかりますがオススメの方法です。
また、ブログによってはIP特定アドレスからのコメントを制限できる機能がついていたりするので、自分が利用しているブログのヘルプページなどを良く読んで適切な対処をしましょう。自分の使っているブログにそういった機能がない場合は、思い切って制限機能の充実したブログに乗り換えるという方法もあります。
コメント機能を廃止する
こちらは、ブログ以外でもInstagramなどでよく芸能人や著名人が行っている対処方法でもあります。元々備え付けられたコメント機能自体を廃止してしまうというものです。あまりにも誹謗中傷コメントが多く対処が難しい、あるいはコメントの対処に割く時間が取れない場合はコメント欄自体を廃止してしまうのも良い方法かもしれません。
コメント欄は読者とコミュニケーションを取る重要な場でもあります。コメントを承認制にするか、なくしてしまうか、そのままにするかは、自分にかかる負担と照らし合わせながら、慎重に検討してみてください。
それでは、続いて「他人のブログに自分への誹謗中傷記事、コメントが掲載されていた場合」の対処方法を説明していきます。
他人のブログで誹謗中傷された場合
他人のブログに自分のことが書かれており、それが誹謗中傷やプライバシーを侵害する内容であった場合はどうすれば良いのでしょうか。他人のブログですので簡単に削除できるものでもありませんし、管理している人に消してもらうしかないのですが、そのような悪意のあるブログに対してこちらからアプローチしても自主的な削除に応じてくれるケースはまれです。では、他人のブログに書かれた誹謗中傷を削除する方法を、段階を追って見ていきましょう。
ブログの管理者に直接連絡を取って削除をお願いする
まずはブログ運営者に直接連絡を取るという方法。間違っても自分のブログやSNSを使って反論・拡散したり、相手のブログのコメント欄に投稿するなど、第三者が見られる場所でのやりとりは避けましょう。第三者の横やりが入ってしまう恐れがありますし、消したいと思っている誹謗中傷がさらに拡散され、思いがけない炎上を招く恐れがあります。
連絡内容としては、「悪意のある中傷に心を痛めている」「なぜこのような内容を書くに至ったのか」を問い、削除・あるいは修正の要請をしましょう。感情的な文章では火に油を注ぎかねませんので、文面は慎重に考える事が大切です。
ブログサービスを運営している会社に連絡をする
相手のブログ管理者に無視されてしまった時や、削除・修正の対応をしてもらえなかった場合はブログサービスの運営会社に連絡をしましょう。とくに大手のブログサービスでは、明確な利用規約を提示し、違反しているユーザーを通報できる専用フォームを用意している所も多くあります。以下はamebaブログの一例です。
誹謗中傷を書かれた時の通報方法(Amebaブログでの一例)
まずは、相手のブログのサービスを提供している運営会社が提示している利用規約を良く読みます。その上で、自分が削除したい誹謗中傷コメントがサイトの削除基準に当てはまっているかを確認します。
例えば、Amebaブログでは、利用規約の内容に準じて、使い方を理解しやすいように利用方法をまとめた「Amebaで守るべきこと」というページがありますので、まずはそこに記載されている規約の内容をしっかりと読みましょう。
「通報窓口から通報してください」という項目に当てはまる場合は、「利用規約の違反報告」というボタンをクリックし、専用フォームに飛びます。そして、フォームの該当する欄に「サービス名」「違反ページのURL」「違反ID」「規約違反の内容」「具体的な理由」をそれぞれ記載します。
その際に、最も重要なのは「具体的な理由」の項目です。自分のどういった誹謗中傷がされていて、どういう被害をうけたのか、利用規約のどの部分に違反しているのかという事を明確に記載しましょう。
もしも、ブログ運営会社が定めている利用規約に違反していると判断された場合は、運営会社の方で削除や相手への警告、ペナルティの対応をしてくれます。運営会社によって投稿フォームへの返信はしていない場合もあるため、実際に動いてくれたのか確認が出来ず不安になる事もあるかもしれませんが、大体1週間くらいを目安に(通報したサイトに対応までの目安の時間が記載されている場合はそれを参考に)待ちましょう。
誹謗中傷を書かれた時の通報方法(FC2ブログでの一例)
同じく、人気無料ブログであるFC2ブログでは、以下のような通報フォームを設けています。
こちらは、依頼時に「名前」や「住所」、企業の場合は「組織名」「担当者名」など詳細な個人情報を記入する必要があるだけではなく、「サイト管理人であるユーザーへ、お名前の公開を許諾しますか」という項目もあり、これを拒否すると削除不可となる可能性もあります。
注意事項にも、
該当箇所および削除を依頼する理由を、サイト管理人へ転送いたします。
転送をされることを望まない場合は、最寄りの法的機関にご相談ください。
と記載があるように、もし相手へ削除理由を通知する事に同意できない場合は法的機関を頼るよう案内もされており、削除に対してはかなり厳しい立場を取っている事がわかります。
こちらも、最も重要な部分は「被害状況および異議申し立て内容」「削除を依頼する具体的なURL」「削除を依頼する具体的な箇所」「削除を依頼する理由」の4項目となり、それぞれを明確に記入する必要があります。「削除を依頼する具体的な箇所」がFC2ブログの利用規約や法律のどこに違反しているのかを具体的に書きましょう。
とはいえ、FC2ブログは「スパムコメント対策講座」のページに掲載されているようにスパムコメントなどの不適切なコメントに対する対策機能が充実しているので、もしも誹謗中傷がコメント欄で起こっている場合に関しては対策もしやすいと言えます。
法務省のインターネット人権相談に相談する
法務省の人権擁護局は「法務省インターネット人権相談窓口」というページから、人権が侵害されたときの相談を受け付けています。
インターネットでの誹謗中傷をはじめとした様々な人権問題に対応してくれる機関であり、相談は無料で受け付けてくれるため、もしもブログで受けた誹謗中傷で人権を侵害されていると感じているにも関わらず「誰にも相談できなかった」「自分なりに対処してみたけれど解決できずどうしようもない」などと行き詰っている方はこちらに相談してみる事をオススメします。
相談を聞いた職員や人権擁護委員が相談内容から調査を行い、書き込みに人権侵害が認められれば必要に応じた措置を行ってくれる事もあります。
弁護士や誹謗中傷対策会社などの専門家に相談する
もし、どうしても削除に応じてもらえず、かつその記事による評判の損失が大きくなりそうな場合は、専門家に依頼するのもひとつの手です。
とくに、他人のブログに書かれた誹謗中傷を法律に則って強制的に削除したい場合は弁護士に依頼する事をオススメします。また、被害の影響が大きく、ブログに誹謗中傷を書き込んだ発信者を特定し刑事告訴をして逮捕してもらいたい場合や、民事告訴をして慰謝料を請求したい場合も弁護士に対応をお願いする事が解決への近道です。
インターネットでの誹謗中傷で多くあてはまる罪は「名誉毀損罪」や「侮辱罪」ですが、これらは親告罪といって、被害者が被害届を出した上でさらに告訴状を提出しなければ警察は動いてくれません。告訴状を提出する際には、被害内容や誹謗中傷の書き込みがどの法律に違反しているか、その証拠などを細かく説明する必要があるため、法律のプロに任せる事が安心です。
一方、誹謗中傷対策会社には、弁護士と違って削除したい誹謗中傷書き込みの削除代行をする権限はありません。(業者が弁護士を紹介してくれる場合もありますが、もしも弁護士を通さずに削除代行を行う業者がいたら注意しましょう。)しかし、誹謗中傷と思っていた投稿が万が一法律に違反していないという判断をされてしまった場合、その書き込みがあるブログを検索エンジンからの検索結果の上位に表示されにくくするなど、他人の目に触れないようにするという対策を提案してもらえます。削除したいと思っている誹謗中傷書き込みが「法律上問題はない」と言われてしまって困ってしまった場合は、そういった会社に相談してみると良いでしょう。
まとめ|ブログの誹謗中傷 対応は冷静に!困ったら各機関に相談を
自分のブログへの誹謗中傷コメントは、反応せず削除、他人のブログに書かれた自分への誹謗中傷に対しては、直接連絡を取り、削除要請をしましょう。SNSやメールで誹謗中傷が書き連ねてあった場合は、基本的に反応しなくてかまいません。
重要なのは、心を痛めても冷静に対処すること。書き込んだ側は、あなたが心をかき乱すのを心待ちにしていますので、思惑に乗せられないよう、確かな芯を持って自己発信を続けていきましょう。
ブログへの誹謗中傷の書き込みが原因で人権が侵害された、採用が見送られた、売上が減ったなど実害が出た場合は一人で悩まずに相談を受け付けている機関や弁護士、誹謗中傷対策会社など目的に合わせて各方面のプロを頼りましょう。