ブログの炎上対策を考えている方必見!予防からアフターフォローまで網羅する対策法は?
「炎上」は突然やってくるものです。故意に自分のブログなどを炎上させる行為を俗に「炎上マーケティング」と呼びますが、個人にしても企業にしても、ブログを運営している際に炎上させようと思って実際に起こすブロガーやWEB担当者はなかなか存在しないはずです。
本記事では、自分のブログが突然炎上してしまった場合に備え、「炎上しやすいブログ記事の内容」「炎上してしまった際の対処方法」「ブログを炎上させないために対策しておくべきこと」の3点を軸に解説していきます。
ブログを炎上させやすい内容
個人ブログで炎上しやすい記事内容は、概ね以下の4タイプです。このジャンルは不興を買いやすく、また自己ブランディングとしてもプラスになりにくい傾向があります。執筆する際は充分に注意しましょう。
- 公序良俗違反・犯罪行為を含む内容
- 政治的・宗教的な内容
- 性別・性差にかかわる内容
- 比較記事(一方を持ち上げ、他方を貶めるような内容)
上記のうち「公序良俗違反・犯罪行為を含む内容」「政治的・宗教的な内容」の2つは、きわめて取扱いの難しいジャンルであり、特に前者はモラル・法律に反しています。当然ですが、炎上を避けたいのであれば取り扱うべきではありません。また、政治・宗教に次ぎ、男女差や性別にかかわる内容も、意見が対立しやすく炎上しやすい記事ジャンルです。
さらに、好きな商品や作品の比較記事も注意すべきです。こういった記事は「ネガティブキャンペーン」と捉えられる可能性もあり、とくに日本ではこういった比較記事に対して不快に思う人が多いとされています。比較対象としてあるアイテムについて痛烈に批判したり低評価の文面を掲載したりした結果、そのアイテムのファンの反感を買ってしまい炎上に結びついたケースがあります。
ブログ記事のジャンル選びの際は、上記のジャンルには特に気をつけるべきでしょう。それでは、続いてもし炎上してしまった場合の対処方法について、解説していきます。
ブログが炎上してしまった場合の対処方法は?
どんなに注意をしていても、思いがけない投稿がきっかけで突然ブログが炎上してしまう事がある事をまず心に留めておきましょう。掲載した記事が炎上し、SNSで拡散されてしまった場合、ブログ運営者にも拡散を止めることはできません。
記事の公開差止めをしてしまえば「逃げた」とみなされさらに反感を買ってしまう場合もありますし、SNSやブログ上で過剰に反応してしまうのは火に油を注ぐようなものですので、そういった事もしないのが無難です。それでは、もしブログが炎上してしまった際に被害を最小限に食い止めるための対処方法を見ていきましょう。
個人の場合
もし公人(芸能人や社長、政治家、公務員など)ではない個人のブログが炎上してしまった場合は沈静化するまで放置しておくのが一般的です。多数の人からの注目がなくなった事が確認できたら、またSNSでの発信やブログ投稿を再開していきましょう。あまりネガティブな内容を書きすぎず、かといって一度炎上したからといって過剰に萎縮してしまう必要はありません。
公人や企業の場合
個人のブログが炎上してしまった場合は放置が基本と先ほど解説しましたが、公人や企業のブログが炎上した際は、逆に他人のSNSや他人のブログで炎上の件がどのように扱われ、どのような反応をされたのかチェックしておくことが重要です。自分の書いた記事や発言が多数の人から批判されるのは心苦しいですが、次なる炎上を巻き起こさないよう、「どの部分がどういけなかったのか」を把握し、しっかりと適切な対応をした上で次の記事から改善に繋げていきましょう。
また、あまりにも記事に問題がある(こちらに非がある)場合は、モラルある人間の行いとして、誠実に謝罪すべきです。ただし、企業の公式ブログの場合は、中途半端な謝罪を行う前に、速やかに炎上してしまった記事に関する対応や今後のブログ運用の対応を他部署とも話し合い、会社としての認識を一致させて方針を固めてから謝罪文を発信する事が大切です。
さて、炎上してしまった際の対策方法は分かっていても、できれば可能な限り炎上は避けたいのが本音ですよね。以下では、炎上を未然に防ぐための対策方法を「個人」と「企業」それぞれのケースに分けて提案していきます。
ブログの炎上を防ぐための対策方法を紹介!(個人編)
大きなニュースとなるような炎上は企業や芸能人のものが多いとはいえ、個人のブログが炎上した事例も少なくはありません。個人ブログの炎上を防ぐための対策方法を見てみましょう。
トラックバックやコメント欄を廃止する
ブログにはトラックバックなどの拡散機能がついている場合が多いです。これはTwitterなどのリツイート機能と似たようなものですが、トラックバックを禁止するとそういった方法で拡散されてしまうのを防ぎます。また、コメント欄を廃止する事で、コメント欄に書き込まれる誹謗中傷を防ぐ事が出来ます。
コメント欄は普段ブログを読んでくれている人とのコミュニケーションの場でもあるため、どうしても廃止したくないという方は、下記のような対策方法も検討してみてください。ブログにこれらの機能が備わっていない場合は、思い切ってブログを移転してしまうのも手です。
- コメントを承認制にして、自分が承認したコメント以外は表示されないようにする
- コメントのNGワードを細かく設定する
- コメントを書き込める人を制限する(IPアドレスで除外するなど)
記事の公開範囲を細かく指定する
ブログ記事の公開範囲を友人のみに限定する対策方法もあります。FC2ブログやはてなブログでは、ブログを見るときに任意のパスワードを入力できた人だけが閲覧可能なプライベートモードなどが搭載されています。さらに、Amebaブログの「アメンバー限定」など公開範囲の設定を記事単位で細かく指定できる機能のあるものもあります。
もしも自分と仲の良い人向けの記事を書くなら、こういった設定を使ってブログを閲覧できる人をあらかじめコントロールする事も炎上対策のひとつとなります。個人ブログ炎上の原因で多いもののひとつとして、全体公開のブログだったにもかかわらず「誰からも見られていないという想定で書いていた」「身内向けに書いたものが知らない人に取り上げられ拡散されてしまった」というものがあります。こういった事態を未然に防ぐ方法として、あらかじめ公開範囲を設定する事を検討してみてください。
内容をよく読み返す
他の個人ブログが炎上する要因としては、「批判されるような言い回しがある事に気付かないまま投稿してしまった場合」というものも挙げられます。ブログの記事を書いているのは、自分自身の1人だけでも、その記事を読む不特定多数の人は同じ立場の人もいれば、全く逆の立場の人もいます。そういった別の立場の人が読んだときに「〇〇という言い方をするのは酷い」「この人は〇〇と書いているけど私はこうは思わない」などと書かれて炎上する例も多くあります。
常に全ての立場の人を考えて文章を書くことはとても難しいですが、文章を書き終わってすぐに投稿するのではなく、いったん落ち着いて出来るだけ客観的に文章を読み返したり、可能であれば不特定多数の人に公開する前に誰かに読んでもらうなどするだけでも炎上のリスクは格段に抑えられます。話題が熱いうちに記事を投稿したい気持ちもわかりますが、できれば一度冷静になって文章を読み返す事を強くお勧めします。
ブログの炎上を防ぐための対策方法を紹介!(企業編)
企業のブログに関しては、元々不特定多数の人に見てもらうための記事を作成しているため、内容の公開範囲を設定するなどの対策は難しいと言えます。多少砕けた文体を使用して良い事が多いとはいえ会社という大きな組織の公式文書であるため、投稿の際のダブルチェックは基本と言えますが、その他にも企業だからこそ行っておきたい対策方法があります。
従業員向けのガイドラインや炎上対策のマニュアルを策定する
企業のWEBサイトやブログ、SNSなどの炎上を防ぎ、万が一炎上してしまった場合に素早く適切な対策を取るには、WEB担当者だけではなく、サポート窓口、マーケティングの担当者や営業担当者、経営や管理に関わる担当者など企業全体でWEBに関しての共通認識を持っている事が大切です。そのために、ぜひ全社員で共有可能な「ソーシャルメディアガイドライン」や「風評・炎上対策マニュアル」を作っておきましょう。
社内でソーシャルメディアを扱う際に、炎上を発生させないためのルールやポリシーをまとめたガイドライン。
個人情報やプライバシーの保護に関する項目や、自社・他者双方の権利の保護などに関する認識を合わせる事によって、社員ブログや企業SNSなどのソーシャルメディアではどういった発言に気を付けるべきか知る事が出来ます。
もしも拡散されかねない風評を発見した、またはSNSなどで拡散されて炎上してしまった場合の、各ソーシャルメディアに合わせた対処方法をまとめたマニュアル。
危機が発生してまず行う対策本部の設置、情報収集・対応方針の決定などの初期対応から事後処理までの流れを予めマニュアル化しておくことで、炎上してしまった際にも慌てずに正しい対応を素早く行う事が可能になります。炎上時には初期対応の差で結果が大きく変わるため、どんな企業でも風評・炎上の対策マニュアルは用意しておくことが望ましいと言えます。
SNSや社員ブログなどの監視を行う
現在、需要が高まってきている対策方法のひとつが、監視です。ブログに掲載した内容のスクリーンショットをSNSに投稿されて炎上…といった炎上がある中、企業が管理しているブログだけでなく、TwitterやInstagramなどのSNS、不特定多数が利用する5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)やしたらば掲示板などの無料掲示板、キャリコネ・みんしゅうなどの就活口コミサイトなどを監視しておく事によって、もし風評が書かれてしまった際でも早期に発見し、削除申請を行ったり予め事実確認やサポートを行うなど炎上を防ぐ対策に移る事ができます。
ほとんどの企業では、こういった監視業務はWEB担当者の仕事となります。SNSなどの監視は無料でできる方法もありますので、既に対策を始めている企業もあるかもしれません。しかし、社内での業務量が多く監視に手が回らない企業があるのも現実。そういった企業は、監視業務を代行している会社に依頼する事も考えてみると良いでしょう。
監視業務を代行している会社にブログやSNSの監視を依頼する事のメリットは、そういった会社の殆どが、サービスとして炎上してしまった際の対策も行っている事が多い点です。つまり、炎上の火種を見つけた場合や炎上が発生してしまった場合に早期解決する方法やアフターケアの方法を熟知したプロを味方にできると言う事ですね。
外部に監視を委託する予算が取れない場合や、とりあえずはWEB担当者の力で監視を行いたい場合は、監視ツールを取り入れてみるのも有効です。様々な企業が監視ツールを提供しています。導入検討の際はしっかりとヒアリングを行い「予め登録しておいた風評ワードが投稿された際にメールでお知らせ」「企業名を含むツイートが1万RTを越えたらメールでお知らせ」など様々な機能を吟味し、自社にとって一番有効な機能のあるものを選ぶようにしましょう。
必要であれば外部に依頼してWEB炎上対策の研修を行う
最後に、従業員のための炎上対策研修を行うといった方法もあります。今までに起きた企業の炎上例をもとに、どういった投稿が炎上してしまいやすいのか、もしも炎上が起きてしまったらどういった対応をすべきなのかケーススタディーを行う事で、従業員にも炎上を防ぐマインドを持ってもらう事ができます。もしもWEBのリスクマネジメントに詳しい社員がいない場合は、WEBの炎上対策を行っている会社に依頼して研修を行うのもオススメです。
まとめ
有名になればブログの影響力が増し、同時に炎上しやすくもなってしまいます。また、現在ではブログとSNSの連携も充実しているだけでなく画面録画やスクリーンショットの機能も充実しているため、ブログの内容を簡単にSNSにアップされ、拡散されてしまいます。つまり、まずブログ自体の対策とともに、他のソーシャルメディアに関しても対策が必要という訳です。
ブログを運営していくうえでは、もしも自分のブログが炎上してしまった場合に備え、正しい対処法を身に着けておくことが肝要です。具体的には、個人であれば、「トラックバックやコメントを禁止する」「公開範囲の設定をする」「投稿内容を読み返す」などの対策、企業であれば「ガイドラインや炎上対策のマニュアルを策定する」「ソーシャルメディアの監視を行う」「WEB炎上対策の研修を行う」などが有効です。
ブログはいつ炎上するかわかりません。日頃から炎上についての対策をしておく事は炎上のリスクを抑えるだけではなく、万が一炎上してしまった際の素早い初期対応にも繋がるという事も覚えておきましょう。