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ネットストーカーの基準はどこから?こんな人が周りにいたらすぐに相談しよう

インターネットが普及し、SNSなどで気軽に日常を発信できる環境が整った現在では、簡単に特定の人物がどこで何をしているかを調べる事が出来るようになりました。親しい友人間でお互いの行動を把握するためにTwitterなどリアルタイムに投稿できるSNSを利用する事はよくありますが、そういった使い方に慣れてしまうと、つい投稿が全く知らない人にも見られている可能性があるという事を忘れてしまうもの。

本記事では、ネットストーカーになってしまう人の特徴や心理から、法律的な意味での「ネットストーカー」の定義、被害に遭った時の対処法について解説していきます。

ネットストーカーとは?どういう行為が当てはまるのか

ネットストーカーになってしまう人の動機は?

ネットストーカーという用語について、少し詳しく見てみましょう。

ネットストーカー
別名:サイバーストーカー
【英】net stalker, cyber stalker
ネットストーカーとは、インターネットを通じてストーカー行為(ストーキング)をはたらく人物の総称である。

ネットストーカーのストーキング手口としては、相手のユーザーがどこで何をしているかを逐一追跡し、匿名で利用しているサービスも本人と突き止めたり、メールアドレスや電話番号、顔写真といった個人情報を不当に入手したり、あるいはネットワーク上の攻撃を行ったりと、様々な行為がある。

引用:IT用語辞典バイナリ

ネットストーカーという言葉が一般的によく聞く言葉ですが、サイバーストーカーという別名もあります。「ネトスト」と略される事もありますよね。一般的にストーカーと聞くと、待ち伏せや付きまといなど物理的な行為を想像しがちですが、ネットストーカーとは一言で言うと「インターネットを駆使するストーカー」の事で、拒否しているにも関わらずSNSやブログのコメント欄に執拗にコメントを投稿したり、ネットの情報を頼りに個人情報を探したり、さらには知り得た個人情報をオンライン掲示板等に公開して誰でも閲覧可能な状態にしたりするなどの行為をする人の事を言います。

ネットストーカーになってしまう人の心理や動機って?

警察庁は公開している資料では、ストーカーとして検挙された加害者の動機を大きく下記のように分けています。

ストーカー規制法に抵触する動機

好意の感情
好意が満たされず怨恨の感情

ストーカー規制法に抵触しない動機

精神障害(被害妄想含む。)
職場・商取引上トラブル
その他怨恨の感情
その他

参考:警察庁 公式サイト「生活安全の確保に関する統計 ストーカー・DV等

平成30年の統計では、このうち「ストーカー規制法に抵触する動機」である「好意の感情」が14,688件と最も多く、ストーカーになってしまう理由の殆どが一方的な好意によるものだという事がわかります。次点に同じくストーカー規制法に抵触する動機に当てはまる「好意が満たされず怨恨の感情」というマイナスの感情による理由が続きます。

インターネット、とりわけTwitterのようなSNSでは、一般人同士はもちろん有名人とも気軽にコミュニケーションを取れる手段でもあります。そのため、普通なら一対一で話す機会の少ない憧れの人から返事が来る、「読んだよ」というアピールを受け取るなどの経験をすると心理的な距離感を錯覚してしまう事があります。そしてこの錯覚した距離感から一方的な好意の感情を持ってしまいます。

インターネットはリアルタイムに更新されていく事が多く新しい情報が次々と手に入るので、気になる相手の事が頭から離れなくなり、次第にネットストーカーへと発展してしまうのです。また、元恋人や元配偶者など、顔見知りの犯行が多い一般的なストーカーに対し、匿名性の高いネットでのストーカーは現実で全く出会った覚えのない人が犯人である場合があります。

改正によりネットストーカーにも対応した「ストーカー規正法」とは?

ネットストーカーに対応した「ストーカー規正法」

警察では、「ストーカー規制法」という法律でストーカー行為を取り締まっています。「つきまとい等」を繰り返す人物に対して警告を与えたり、悪質な場合は逮捕する事もあります。

「つきまとい等」って具体的にどういうこと?

一般的な「つきまとい等」に当てはまるのは、このような行動です。

  1. つきまとい・待ち伏せ・押し掛け・うろつき等
    尾行・待ち伏せ・押しかけ・周りをうろつくなど
  2. 監視していると告げる
    メールや電話、ネット掲示板などに「監視している」という旨の言葉を書き込んだり、帰宅した直後に「おかえりなさい」と電話やメールをする
  3. 無理に面会や交際を要求する
    贈り物を受け取るように強制する、なども含まれる
  4. 乱暴な言動を投げつける
    大声で「バカヤロー」などと怒鳴る他、家の前でクラクションの大きな音を鳴らすなど
  5. 無言電話や(拒否しているにも関わらずの)連続着信やSNSの連続返信
    拒否しているにも関わらず何度も一方的にメッセージなどを送ってくる行為
  6. 汚物等の送付
    不快感や嫌悪感を与えるものを送ってくる
  7. 名誉を傷つける
    中傷したり名誉を傷つける内容を告げたり書き込んだりして、精神的に追い詰めようとする
  8. 性的な羞恥心の侵害
    わいせつな写真を送ってきたり、卑猥な言葉を告げ恥しめようとする

参考:警察庁公式サイト ストーカー規制法

以上の「つきまとい等」に当てはまる行為を繰り返す事を「ストーカー行為」と言います。

ストーカー規正法がネットストーカーに対応した経緯

ネットストーカーはインターネットを悪用してこの「ストーカー行為」を行います。ストーカー規制法の「つきまとい等」の条件に電子メールが追加されたのは平成25年7月。とあるストーカー殺人事件がきっかけでしたが、その時点ではまだSNSの連続送信は入っていませんでした。平成28年に新たなストーカー殺人未遂事件が起きた事をきっかけに、時代に合わせたストーカー規制法の不備が再度問題となり、同年12月、SNSを用いたつきまといに関しても規制の対象に含まれるようになりました。実際にTwitterで芸能人に対して脅迫行為を行った人物が逮捕された例もあります。

ストーカーに関する相談件数が増加した事や、何かをきっかけに加害者の行為が突然激化して重大事件になってしまう恐れがある事を考慮し、平成29年に改正されたストーカー規制法では禁止命令制度の見直し等だけではなく、ストーカー行為罪の非親告罪化や厳罰化が決定されました。

ネットストーカー被害に遭った時に相談できる機関やサイトを紹介

もしもストーカーの被害に遭って困ってしまった場合や、ストーカーとまで言えるか判断できないけれど身の危険を感じた場合に相談できる機関を知っていると安心ですよね。「ネットストーカーかもしれない・・・」と悩んだ時に相談できる機関や役に立つサイトを以下にまとめました。

Café Mizen-未然-

Café Mizen-未然-はネットストーカー被害を未然に防ぐためのサイトです

Café Mizen-未然-は「ストーカー被害を未然に防ぐことを目的とした、警察庁の情報発信ポータルサイト」と記載されているように、警察が公式に用意したストーカー被害に悩む人のための情報サイトです。ストーカー行為とはどんなものかという説明だけではなく、危険性を判断するポイントや具体的なストーカー被害のケースもわかりやすく紹介されています。こちらの「相談窓口・支援制度」のまとめは、被害状況や目的別に整理されており、どの機関に相談すると良いのかが分かりやすいのでオススメです。「未然に防ぐこと」が目的なので、ストーカーの被害に遭っていない人でも一度は見てみると良いでしょう。

Café Mizen-未然-のサイトはこちら

NPOヒューマニティ

ネットストーカーの専門家に相談するならNPOヒューマニティ

NPOヒューマニティは一般の人々に対して精神的虐待行為(ストーキング等のモラルハラスメント)からの救済と立ち直り支援に関する事業を行っているNPO法人です。団体の理事長は平成28年(2016年)にNHKの「クローズアップ現代」という番組で「追跡“サイバーストーカー”の闇」というサイバーストーカーの特集が組まれた際にも専門家として紹介された有名な方です。

メンタルサポートのカウンセリングやストーキング被害などに関する企業向けのコンサルテーションやセミナーなどを行っているだけではなく、具体的に生命の危機を感じるような場合には身辺警護や調査業務なども有料で受けてくれます。

NPOヒューマニティへの相談はこちら

まとめ|これってネットストーカー?悩んだらまずは警察に相談を!

インターネットのおかげで普段の生活では出会えないような人とも仲良くなる事ができたり、遠くに住んでいる友人ともSNSなどで簡単にやり取りができたり、とても便利ですよね。しかし、気軽に繋がった見ず知らずの人がある日自分の行動を監視しているような素振りを見せたり、大量のメッセージを送ってきたりする事もあります。「つきまとい行為」の判断基準として「拒否しているにも関わらず」という文言があるので、少しでも「これってネットストーカーかな?」と思ったら一度相手の神経を逆撫でしないよう言葉に気を付けながら書き込みを控えてもらうようにお願いし、証拠としてスクリーンショットを残しましょう。

平成29年に施行された現行の「ストーカー規制法」では、SNSなどで「つきまとい行為」を繰り返すネットストーカーにも対応しています。もしもストーカー行為が止まらない場合や、万が一悪化してしまった場合はすぐに警察のサイバー犯罪対策課まで通報しましょう。

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