YahooやGoogleで、効率よく検索したい時に利用する虫眼鏡とサジェスト、これらの検索候補にネガティブなキーワードが表示されてしまったら、どのように対応すべきでしょうか。
スマートフォンの普及によって、検索エンジンに表示される情報が、企業や人の認知度に、ダイレクトな影響を及ぼすようになってきました。会社名や個人名など、名前のネームバリューが重要な場合に、虫眼鏡やサジェストに不都合な関連ワードが表示されてしまうと、ブランド力低下を招いてしまう恐れがあります。
虫眼鏡やサジェストの仕組み、サジェスト汚染が発生してしまった時の対処法を知っておくことで、風評被害が起こってしまった時に、影響を最小限に留めることが出来ます。サジェスト・虫眼鏡の基本理解からブランド保護のための対策まで紹介します。
Yahoo!虫眼鏡とサジェスト
Yahoo!の検索エンジンには、検索したいキーワードを入力すると、関連性の高いワードを表示させる「虫眼鏡」と「サジェスト」の機能があります。検索したいユーザーを補助する役割がありますが、それぞれどのような機能なのか、見ていきましょう。
Yahoo!虫眼鏡とは
Yahoo!虫眼鏡は、入力キーワードと一緒に検索されているキーワードを表示する機能です。虫眼鏡のアイコンで、検索結果の上下に表示されています。
自分が調べたいと考えて入力したキーワードに関連するワードが自動的に表示されるため、自分が知りたいトピックスについて容易に調べることができ、効率よく検索することができます。
Yahoo!虫眼鏡の仕組み
入力したキーワードに関連した、これまでの検索回数が多いキーワードが抽出された表示される仕組みとなっています。
例えば「ディズニーランド」と検索すると、虫眼鏡には「混雑予想」や「チケット」、「ホテル」などのワードが表示されます。この状態を見ると、Yahooを利用するユーザーが「ディズニーランド」と入力する場合、これからディズニーランドに行きたいというユーザーが多いという傾向が見えます。
「混雑を極力避けたい」「近隣の宿泊先を知りたい」「チケットはいつ、どこで買うべきか」など、検索するユーザーが求めているニーズが浮き彫りになって見えてきます。
このような検索が繰り返されることで、検索回数が多いワードが決まり、虫眼鏡に表示されます。
この仕組みから「今まで知らなかった、でもこれから知りたい」と考えているキーワード入力すると、他のユーザーがたくさん調べている関連ワードが表示されるため、多くの人が知りたいと求めている内容が書かれたWEBサイトにはすぐアクセスしやすくなるのです。
Yahoo!サジェストとは
Yahoo虫眼鏡に似た機能として、Yahooサジェスト(入力補助機能)があります。最初に検索窓に入力したキーワードに関連したキーワードが表示される機能です。キーワード一語を入力しただけで、関連するキーワードがリストアップされて表示されるため、いくつもキーワードを入力する必要がなく、多くの人が調べたいトピックに辿りつきやすくなります。
Yahoo!サジェストの仕組み・虫眼鏡との違い
Yahooサジェストも虫眼鏡と同様、検索ユーザーがこれまでに調べた検索キーワードの累積によって、決まります。
仕組みとしては大きな違いがないため、サジェストに表示されるキーワードによっても、多くの人が調べる検索ニーズの傾向が見えてきます。
また、検索するキーワードによって、サジェストと虫眼鏡で違いが出る場合があります。上は「格安SIM」について調べたサジェストと、虫眼鏡の結果です。よく見比べると、サジェストには表示されているけれども、虫眼鏡には表示されていないワードがあることがわかるでしょう。
キーワードが表示されるロジックとしては、過去の検索回数が影響していますが、サジェストは検索窓に最初に検索する時の検索補助機能で、虫眼鏡は検索結果に表示される関連検索ワードとなり、若干用途に差があるため、結果にもわずかな違いが出ています。
Googleには虫眼鏡・サジェスト機能はある?
Googleの検索エンジンにもYahoo!と同様の機能があります。基本的な役割としてはYahoo!と同じく、ユーザーのニーズを反映して、入力されたキーワードに関連したワードが表示され、検索エンジンの利用者を補助してくれます。
Googleの場合には「関連検索キーワード」
Googleの場合には、虫眼鏡の機能は「関連検索キーワード」に該当します。
Yahoo!の場合と同様に、検索結果の下に、自分が入力したワードに関連したキーワードが表示されます。Yahoo!の虫眼鏡に表示されるキーワードが、キーワードの検索回数によって決まるのに対して、Googleの場合には回数だけでなく、検索結果に表示されるページの内容も踏まえて、決まる仕組みとなっています。
インターネット上に、キーワードに関するどのようなページが存在しているか、これらと実際に検索されたキーワードについての関連データを「検索クエリ」として累積していて、このデータによって、どのようなキーワードが表示されるかが決まります。
Yahoo!が機械的に検索回数のカウントから、関連キーワードを決定するのに対して、Googleの場合には、関するユーザーの興味が反映された形でワードが表示されるため、よりユーザーのニーズにマッチしたワードが並ぶ形になっています。
Googleサジェスト
サジェストもYahoo!と同様に、Googleでも利用することが出来ます。またGoogleの場合、サジェスト機能を「Googleオートコンプリート」と呼びます。
Yahoo!と同じく、ユーザーが検索するのを補助して、調べたいワードについて、関連するキーワードを表示してくれます。
こちらも過去の検索クエリの累積からキーワードが抽出され、表示される仕組みになっており、サジェストに表示されるワードと、関連検索キーワードに表示されるワードには、若干、違いがあります。
サジェスト汚染にあってしまった時の対策
虫眼鏡やサジェストは、インターネット上の多くのユーザーがこれまでに調べた検索ニーズが反映されています。そのため、企業名や会社名で検索をかけた時に、虫眼鏡やサジェストにネガティブなキーワードが表示されてしまうと、ユーザーがネガティブな情報を調べる傾向が高くなり、後ろ向きな情報にアクセスしやすくなります。
このような「サジェスト汚染」の被害に合ってしまった時の対処法を紹介します。
サジェスト汚染とは
会社のサービスの認知度を高めたり、ユーザーに有益な情報を発信する上で、検索エンジンが持っている影響力は無視できないほど大きくなりました。
実際に、表示された内容の真偽や、ネット上にどのような情報が存在しているか、ということに問わず、第一印象として店舗に対して、ポジティブな印象を持ちづらくなってしまうでしょう。
このようにネガティブなキーワードが表示されてしまう「サジェスト汚染」は長い時間をかけて、店舗名や会社名、個人名のブランドを蝕んでいきます。ひとたびマイナスのキーワードが表示されてしまうことで、ユーザーはネガティブな情報にアクセスしやすくなり、名前の評判がどんどん悪くなってしまうという負のスパイラルが起こってしまう可能性があります。
実際に大企業の商品に欠陥があり、炎上が起こってしまい、ネガティブな関連ワードがサジェスト上に残ってしまっているという事例もあるほどです。万が一、自分が勤めいている会社の社名や個人名で、サジェスト汚染が発生している状態を確認したら、深刻な影響を及ぼしてしまう前に、対策が必要です。
サジェストの削除依頼を申請する
Yahoo!の場合には、Yahoo!検索-関連検索ワードに関する情報提供フォームから削除申請を送ることで、不都合なネガティブキーワードを削除することができます。
Googleの場合には、「法律に基づく削除に関する他の問題を報告する」というフォームから、削除の申請を行います。Yahoo!よりもGoogleの方が「削除に値する法的な理由が明確にあるか」という点が重視されるため、申請にも厳密さが求められます。
また、Googleはオートコンプリートポリシーと呼ばれるサジェストに表示されるキーワードについての削除ルールを設けています。暴力的な表現が含まれているか、差別的な表現が含まれているか、など法的な必要性があって、削除する旨を明確に申請することで、Google側に対処してもらえる可能性が高まります。
- 居住国
- 戸籍上の姓名
- 連絡先メールアドレス
- 検索キーワード
- 不適切な検索候補
- コンテンツが表示される国
- 法的に削除が必要な理由
Googleの場合には、全世界のユーザーを対象としているため、自分の居住国や、戸籍上の氏名、連絡先、不都合なコンテンツが表示される国名なども入力しましょう。またYahoo!の申請と同様に、検索キーワードや削除したい検索候補、削除したい理由なども記載して申請しましょう。
弁護士に依頼する
サジェストの削除申請は、普段なかなか行わない作業のため、いざという時に、手続きが煩雑で諦めてしまう人も多いです。また削除申請したいワードが、オートコンプリートポリシーに違反していたり、明確に消去するに値する理由があったとしても、法的な知識がなければ、どのように反しているかを明文化して申請するのは、非常に大変な作業です。
このような場合には、弁護士に依頼することで、本人に代わって、削除の申請を進めてもらうことが可能です。
弁護士は法律の知見が深く、インターネットの風評被害の対処に経験が豊富な弁護士もいます。ネット上の誹謗中傷の発生事例は無くなることがなく、弁護士もこの問題を無視できなっています。
解決実績のある弁護士に依頼することで、不都合なワードが削除できる可能性も高まります。
誹謗中傷対策業者に依頼する
インターネット上のトラブルを解決する誹謗中傷対策業者は、サジェストが汚染されてしまったり、ネガティブな情報が検索エンジンに上位表示されてしまった時の対応を行います。
サジェスト削除以外にどのような対策が行う余地があるか提案を受けたり、サジェスト対策を行うべきかどうか判断してもらうことが出来ます。
オートコンプリートポリシー違反に該当する法的な削除リクエストを送れない場合でも、誹謗中傷対策業者に相談することで、削除以外の方法で対応できる場合もありますので、弁護士に相談して解決しない場合には、こちらも検討しましょう。
まとめ|サジェスト・虫眼鏡の関連ワードは、日頃から把握しておこう
虫眼鏡やサジェストに表示される結果は、インターネットユーザーの興味・関心の累積を表しています。関連ワードに何が表示されているか、把握しておくことで、企業名・個人名についてユーザーがどのような情報を知りたがっているかを知ることが出来ます。インターネット上のブランディング、マーケティングを考えるうえで、虫眼鏡やサジェストに表示されるワードは非常に重要な位置を占めています。
万が一、サジェスト汚染に合ってしまい、被害がおよび始めたとしても焦る必要はありません。弁護士や対策業者など、連絡できる機関がありますので、不安を感じたら相談してみましょう。小さなことでもリスクを見つけたら、早めに対処することで、被害の影響を最小限に食い止めることが出来ます。