誹謗中傷・風評対策

インターネットにおける人権侵害はどういうもの?対処法や各機関の取り組み

インターネット上の人権侵害について

インターネットの仕組みが進歩していくにつれて、ネットと私たちの距離はより近くなっていきます。しかし、新たな問題として、人権侵害の問題が深刻化していくという状況も生まれています。もし、インターネット上で人権侵害にあってしまった時の対処法や、行政など、各機関の取り組みについてまとめました。

インターネット上の人権侵害とは?

インターネット上でのSNSなどを通じたコミュニケーションが活発になっていくにつれて、インターネット上のメッセージでの内容についてモラルや、プライバシーについての問題が複雑化しています。

内閣府が平成29年10月に行った世論調査の結果では、インターネット上で起こっている人権擁護についての問題では、他人の誹謗中傷についての問題意識が1位、またプライバシーに間する問題が2位でした。悪意が無かったとしても、掲示板で特定の人物名や企業名を上げて、相手の名誉に関わる書き込みを行ってしまったとして、相手側が名誉棄損だと捉えてしまったことで、賠償請求をされてしまったという事例もあります。

自分自身の人権がインターネット上で守られているということに対する意識を持つことも必要ですが、自分自身の不用意な発言で、誰かの名誉を損なってしまっていないか、発言に慎重になる必要もあります。

増加するネット上の人権侵害

どのようなことが人権侵害に当たるのか?

誰かの社会的評価を低下させるような書き込みを行ってしまった場合には、名誉棄損に当たります。また本人のプライベートに関わる情報を無断で掲載した場合には、プライバシー侵害に当たります。人権侵害に当たる事例の中で、この2つが全体の9割を占めるのです。

また他にも、事実を上げずに、相手を侮辱する書き込みを行った場合には、侮辱罪に該当するなど、細かく分類すると、状況によって、誹謗中傷を行った側に、賠償が求められるなど、事件に発展する事例があるのです。インターネット上でのやり取りについて、リテラシーが高く、法律についての理解もある方が、今のネット社会を俯瞰すると、匿名のユーザーが書きこんだ内容のほとんどが、誹謗中傷に該当すると見受けられると言っても過言ではありません。

1人のユーザーとして、このような状態を明確に意識して、ネット上で発言を行っている人はごくわずかであると言わざるを得ません。

人権侵害を防止するためには

インターネット上での人権侵害に合わないためには、定期的にエゴサーチなどを行って、インターネット上で、自分の名前が他のユーザーからどのような評価をされているか、どのような議論が交わされているかなど、の状況を調査しましょう。

特に誰かから言及されている様子がなければ安心して良いでしょう。

例えば検索結果上の1ページ目に、自分自身についてネガティブな情報が書き込まれているページが表示されてしまっていたとしたら、すぐに誹謗中傷の対策業者や弁護士・法務局に相談するなどの対応を行ったほうが得策です。

そうでなく、検索結果上位には表れてこなくて、誹謗中傷の内容もそれほど酷いものでなくても、将来的にその内容が追加されていき、炎上してしまう可能性もあります。上位表示されて、それらが影響を及ぼしてしまう前に、普段から監視しておいたり、逆SEO対策を行っておき、これ以上被害を及ぼさないように事前策を行うなど検討しておくことが賢明です。

そして、自ら人権侵害の火種を作ってしまわないよう、普段の自分自身が人のコメントに投稿したり、自分の情報発信を行う時にも配慮が必要です。相手の顔が見えない匿名ユーザーだとしても相手の誹謗中傷につながるような情報を書き込むことは控えたり、人のプライバシーに踏み込むは減は行わないなど、小さな心がけを行うことは、人の人権を守ることになり、結果的に自分自身の人権を守ることにもなります。

インターネット上で人権侵害にあったら

自分自身に悪意がなかったとしても、誰かが誹謗中傷にあたる情報を書き込んでしまい、自分自身の人権が脅かされしまったらどのように対応すべきでしょうか。誹謗中傷の内容や、何サイトぐらいに誹謗中傷が書き込まれてしまったかという規模などによって対応方法が異なってきます。

ネット上で人権侵害にあってしまった時に、「冷静に対処すること」これに一番エネルギーが必要です。誹謗中傷されてしまった事実や、問題解決そのものよりも、人権が脅かされてしまったことで、被害を被ってしまった当事者は、心身に相当な打撃をうけることになります。冷静に対処すれば、被害を抑えることはたやすくとも、自分を立て直せなくて、対応が前進しない状態に陥ってしまう可能性が非常に高いと言えます。

日頃から対応の手順さえおさえておけば、万が一自分が侵害されてしまっても、慌てることなく、影響を最小限に抑えて、火種となった情報をインターネット上から消去することは可能なのです。

誹謗中傷に当たる情報の削除依頼について

掲示板などに誹謗中傷を書き込まれてしまった場合、削除するための対応手順がありますので、それらの手順に従って、削除の申請を行いましょう。

例えば、掲示板の5ちゃんねるであれば、管理者へメールで削除依頼の申請を送ります。爆サイの掲示板であれば、削除依頼フォームが設けられているので、そこから申請を出しましょう。

自分での削除依頼が困難な場合は、法務局などに相談

インターネット上で人権侵害に合ってしまったら、基本的には被害を受けた当事者が、サイト管理者に削除依頼を出したり、誹謗中傷を書き込んだ発信者の情報開示の請求を行います。

しかし、これらはインターネットユーザーが常時行う行動とは異なり、特殊な対応であることは確かです。そのためWEBサイトに対応について不慣れな方の場合には、手続きに時間がかかってしまうことがあります。このような場合には、法務局の人権擁護機関に相談することで、代わりに調査や削除の対応を行ってくれます。

弁護士へ人権侵害の相談をする

相談先の2つ目として、弁護士に連絡するという方法があります。弁護士は、誹謗中傷による人権侵害に対して、主に法律的な方法で解決を図っていきます。相手方に対しての削除申請や情報の開示請求を行います。

弁護士はインターネット上のトラブルにも対応

また、誹謗中傷は相手の社会的地位を低下させた場合に、名誉棄損に当たります。開示請求によって、相手の情報が把握できたら、弁護士を経由して、賠償請求を行うことも考えられるのです。

インターネットの誹謗中傷対策業者

法務省や弁護士経由で問題解決を図ろうと画策した時に、相手方が要求に応じない場合などもあります。こちらがいくら「早く情報を消してほしい」と要望を出したとしても、情報の発信者自身が、何らかの理由で応じてくれなかったり、サイト管理者が動いてくれない場合もあります。その場合には、情報が消されるまでの長い期間、Googleなどの検索結果から自分の誹謗中傷に当たる情報が検索できる状態が放置されることとなり、多くの人の目に自分の名誉を傷つけてしまう情報が晒されることになります。

インターネットの誹謗中傷対策業者への相談

誹謗中傷対策業者が行う逆SEO対策などは、このような状況による影響を最小限に留めることが可能です。検索エンジン上で誹謗中傷の情報が上位に上がらないように施策を行うことで、自分が人権侵害されてしまったとしても、他のユーザーの目に留まる可能性を抑えることが出来るのです。

インターネットの人権侵害について 各機関の取り組み

インターネット上での風評被害は、情報を発信した側や、誹謗中傷を書き込まれてしまった当事者達だけの問題だけでなく、サイトを利用している他のユーザーや、サイトの管理者、サイトに書き込まれたコメントなどを外から見ている一般ユーザーなど、非常に多くの人が関係してきます。そのため、適切な対応を行わないと、状況は収まるばかりかさらに被害が拡大する可能性もあります。

行政機関や弁護士の団体、また、インターネット業者には経験豊富な専門家が多数います。特に行政機関は人権侵害が野放しにされないように、市民に対して普段から啓蒙活動を行っています。

県や市の取り組み

市民の人権が関わる出来事は本人だけの問題ではなく、場合によっては、家族や住んでる地域の住民にも影響が出る場合があります。

市や県などの行政機関は、市民に対して普段から、インターネット上の人権侵害についての理解を深めるために、WEBサイト上でインターネット上で発言を行う時の注意点などを説明するなどの啓蒙活動を行っています。都市部では特にこの傾向が強く、東京都や神奈川県などは、人権に関する相談のための専門窓口を設けています。

行政機関も人権侵害の相談に乗ってくれる

自分が住んでいる地区が、人権問題について、どのような意識を持っているか、地区のホームページなどを調べれば確認出来ますので、時間がある時にでも覗いてみましょう。

法務省は人権侵害の相談に乗ってくれる

行政側が設けている人権侵害の代表的な窓口は法務省に設けられています。法務省のWEBサイトには情報の削除申請についての手続きが紹介されています。

また法務省の担当者もインターネット上の人権侵害によって発生した問題が、被害にあった当事者1人の手によって解決することが、いかに労力が掛かることであるかということをわきまえています。削除依頼の方法を案内するだけでなく、職員による相談なども受け付けているため、スムーズに問題解決できるように、促してくれます。

子供向けの人権侵害についての取り組み

法務省が行っている取り組みの1つとして、小中学生など未成年に対しての人権についての教育が挙げられます。毎年秋に実施している「全国中学生人権作文コンテスト」があり、毎年、中学生は、人権という大きな問題に頭をひねらせて、いじめなどの人権問題に関して、文章表現で挑戦していきます。

どういう状況が人権侵害に該当してしまったのか、こういうケースは名誉棄損になるのか、など、学生にとってはなかなか難題である社会問題に対して、事例を調べながら、作文で表現するのです。

学生にとっては人権問題など、関わりのないことだから、大変だな…と考えるのは、大人の一方的な先入観かもしれません。子供の社会でも、インターネット上やSNSを使ったいじめなどの恐怖が影を潜めています。人権問題について子供なりの考えを表現することは、自分たちが直面するかもしれない問題に対して思考をめぐらせる契機になるのです。

また、法務省にも子どもの人権110番窓口が設けられていて、いじめや虐待についての相談も受け付けています。

まとめ|インターネット上の人権侵害は他人事でない

インターネット社会が進化していくにつれて、人権侵害についてのトラブルが発生した時の相談機関の重要性が認知されてきました。また普段から、人権侵害についての理解度を高めるよう、各機関が取り組んでいます。

何か問題が発生したら、相談先に連絡してみましょう。