近年、インターネットを利用する人なら老若男女問わず利用していると言われているYouTube。たくさんの人が閲覧する動画にもし自分の事だと明らかにわかる誹謗中傷や個人情報が書き込まれてしまったらどう対応するべきでしょうか。本記事では、自分に関する風評コメントを書かれてしまった場合の対応方法を、立ち位置別に紹介しています。
Youtubeってどんなサイト?
YouTubeは、アメリカのYouTube, Inc.によって2005年に運用開始された、月間150億以上のPVを誇る世界最大の動画共有サイトです。WEB上にアップロードされた動画は自動で変換されるため、世界中のどんなWEBブラウザでも閲覧可能になります。YouTube, Inc.は2006年にGoogleに買収され、現在はGoogleの子会社YouTube, LLCによってサービスが提供されています。
近年では日本でも独自に制作した動画を公開する「YouTuber(ユーチューバー)」なども増え、日本でも「小学生のなりたい職業ランキング」で上位にランクインするなどの社会現象にもなっています。
1位「パティシエ(ケーキ屋)」は女子人気が圧倒的に高く、全体ランキングと女子ランキングで2010年から1位を獲得し続けている。一方、男子人気の高い「YouTuberなどのネット配信者」は、遂に2位となった。これにより、90年代から男子人気の筆頭であった「プロサッカー選手」を初めて抜いた結果となった。
また、YouTubeは動画に対して評価やコメントをつける事で他のユーザーや動画の投稿者との簡単な意思疎通を行う事ができます。人気のYouTuberが投稿した動画のコメント欄はある種のコミュニティと言っても良いくらい多くのコメントのやり取りがされています。
Youtubeに誹謗中傷コメントが書かれる事のデメリットは?
YouTubeにアップロードされた動画は、WEB環境さえあれば世界中のどこからでも閲覧が可能であるため、動画を投稿している人はたくさんの人から見てもらえる機会がありますし、見るだけの人もYouTubeを見れば見たい動画や面白い動画を基本無料でいくらでも見る事ができます。
様々な人達からの閲覧の機会がたくさんあるという事は、それだけ色々な考え方の人の目に留まると言う事。必ずしも好意的な視点で動画を見る人ばかりではありません。わざわざ嫌いなYouTuberの動画ページに来て、嫌がらせ目的で誹謗中傷や荒らしなどのアンチコメントを残していく人がいたり、全く関係のないスパムコメントを残していったりするような人も一定数います。
自分が一生懸命作ってアップロードした動画に謂れのないアンチコメントが付いたら、悲しく思う人が殆どですし、アンチコメントがきっかけでファン同士の争いに発展し炎上してしまう事もあります。心無いコメントのせいで動画の投稿を辞めてしまう人も少なくありません。
YouTubeはSNSのような使い方もできるため、自分が全く関与していない動画に突然自分の個人情報や誹謗中傷を書かれてしまう場合もあります。コメントの閲覧をあまりしない視聴者もいますが、動画事体の視聴者が多ければ多いほどたくさんの人の目に触れてしまう可能性は高くなり、悪い噂が広まってしまいます。
どういった場合にYoutubeのコメントを削除できるのか
YouTubeでは「コミュニティガイドライン」が設定されており、このガイドラインに違反しているものに関してはYouTubeの運営に報告すれば削除が認められる余地があります。コミュニティガイドラインで言及されている削除対象は以下のとおりです。
1.ヌードや性的なコンテンツ
2.有害で危険なコンテンツ
3.不快なコンテンツ
4.暴力的で生々しいコンテンツ
5.嫌がらせやネットいじめ
6.スパム、誤解を招くメタデータ、詐欺
7.脅迫
8.著作権に違反するコンテンツ
9.プライバシーを侵害するコンテンツ
10.なりすまし
11.子どもを危険にさらすコンテンツ
捕捉すると、「有害で危険なコンテンツ」とは他者、とくに子どもに対して大怪我に繋がるような危険を冒すことを促すものであり、「不快なコンテンツ」とは差別を助長・扇動するようなものが当てはまります。「脅迫」の中には、ストーカー行為なども含まれます。これらのガイドライン内容に違反しているコメントについては、申請すれば削除してもらえる可能性が見込めます。
また、「自分がアップロードした動画に投稿された風評や誹謗中傷コメントを削除したいとき」に関して言えば、そのコメントの削除権限は自分にあります。動画についたコメントが法律や利用規約に違反しているかどうかは関係なく、自分が不快に思った場合は削除して構いません。
Youtubeのコメントを削除する方法
不適切なコメントの報告方法についてはこちらの「不適切なコンテンツの報告」でも公式から説明がありますが、その中から大きく2種類のコメント削除(報告)方法を紹介します。
自分が他のユーザーの動画に投稿したコメントを削除したいとき
「昔書いたコメントだけど、良くない内容を書いてしまったから削除したい」「過去に感情に任せて嫌がらせ目的のコメントを書き込んでしまったから削除したい」といった場面で、一般のユーザーとして動画を見ていた時に投稿したコメントを後から削除したい時は、自分で対象のコメントを削除することができます。
- 削除したいコメントを投稿してしまった動画のページを開きます。
- 自分のコメントの右端にある、縦に3つ点が並んでいるアイコンをタップします。
- 「削除」をタップします。
- 「コメントを完全に削除しますか?」という確認メッセージが出たら、再度「削除」をタップして下さい。「削除されました」というメッセージは画面に表示されたら削除完了です。
自分以外の人がアップした動画に自分の風評コメントがついていたとき
自分の動画にコメントされた訳ではなく、他人が上げた動画に自分の悪口やプライバシーを侵害する情報が書かれていた場合の対処方法です。
多くのユーザーからスパムとして報告されたコメントは[スパムとしてマーク済み]というリンクに入れられて非表示になります。「削除」される訳ではありませんが、多くの人の目に留まる可能性は各段に下がりますので、アンチや誹謗中傷コメントで困っている投稿主がいた場合は報告に協力しましょう。
または、自分は第三者であある場合(例えば、自分の気に入っているYouTuberが動画のコメントで酷い誹謗中傷を受けていた時)でも、悪質だと思ったコメントはこちらの方法で報告する事ができます。
- 問題を報告するコメントに移動します。
- コメントの下にある、縦に3つ点が並んでいるアイコンをタップします。
- [報告] をタップします。
- 報告する理由を選択して、「報告」ボタンをタップします。
また、自分以外の人がアップした動画に自分の誹謗中傷やプライバシーを侵害するコメントがついていた時に関しては、もしも動画をアップした人が自分に協力的である場合は投稿者に頼めば削除してくれる可能性もあります。コンタクトが取れる場合はお願いしてみても良いでしょう。
もしもYoutubeのコメントを削除できなかった時の対処法
もしもコメントが削除出来なかった場合で、かつ対象のコメントが法律に違反していた場合は、YouTubeに「名誉毀損の申し立て」を行う事ができます。YouTube ではメール、ファックス、郵便による自由形式での名誉毀損の申し立ての提出が可能とされています。法的機関から対象のコメントが名誉毀損等と認められ、YouTubeに対して削除命令が下ればYouTubeのコメントは削除されます。
申し立てを行う際にはまず、名誉毀損に関する法律は国によって異なる点に関しては注意しなければいけません。さらに、対象のコメントがどの法律に違反していて、そのコメントがある事でどういった被害を受けているかという事も説明する必要があります。公式サイトには、「場合によっては、裁判所命令を要求することもあります。」との記載があり、申請書類の作成にも法律の知識が必要になりますので、できればインターネット上のトラブルに詳しい弁護士に依頼して対応して貰う事をオススメします。
名誉毀損などの被害で相手に損害賠償を請求する場合は、まず犯人の特定が必要になります。犯人の個人情報を特定する行程でも詳しい法律知識が必要になってきますので、このような場合にもいちど弁護士に相談した方がスムーズに解決できる確率が上がります。
法律に違反しているかどうかの判断が難しかったり、弁護士の見解でも法律には違反していないと判断されてしまったり、または弁護士に依頼する予算の目処がつかなかったりした場合などは誹謗中傷対策を行っている会社に相談し、逆SEOなどの「削除」以外の対策方法で解決できないか見解を伺ってみるのも良いです。
緊急性・事件性の高いものは警察に通報を!
YouTubeに投稿された悪質なコメントのうち、例えばストーカー化したユーザーに「個人の住所や連絡先を書かれてしまった」など、自分の生活を脅かすような緊急性のあるコメントを投稿された場合は、すぐに警察に通報しましょう。また、警察にも「インターネット安全・安心相談」というインターネット関連のトラブルの相談を受け付けてくれる機関がありますので、そちらに相談してみるのも良いでしょう。
まとめ|コメントの削除方法は立ち位置によって違う!慌てず適切な方法を選ぼう
毎日世界中からのアクセスがあるYouTube。現在では企業も独自にチャンネルを開設し動画を投稿していたりもしますし、日本ではネット人口の8割は視聴した事があるとニュースになった事もある程メジャーな動画サイトです。当然、色々な考え方を持つ人がいますし、何らかのトラブルで誹謗中傷を書かれてしまったりプライバシーの侵害とも言える投稿をされたりしてしまう事もあります。
悪質なコメントの削除は、自分の立ち位置(自分の動画に書かれたのか、または他人の動画に書かれたのか)によって適切な方法を選び、行いましょう。どうしても削除が難しい場合は、弁護士や誹謗中傷対策会社に相談して助けてもらい、自分の生活を脅かすような緊急性のある書き込みに関しては、すぐに警察に通報しましょう。