インターネット上の誹謗中傷の原因はどこにあるのでしょうか。ネット上の誹謗中傷が起こる件数が年々増えています。スマホが急速に普及し、掲示板やSNSによる発言が非常に容易になってきました。その弊害として、簡単に他人を傷つける発言が行われる状況も発生しています。
オンライン上で他人を謗(そし)る「誹謗中傷」。人は、どうして無関係の他人に対して誹謗中傷のメッセージを送ってしまうのでしょうか?本記事では、「誹謗中傷されやすいテーマ」「誹謗中傷をする人のタイプ」を解説し、最後に誹謗中傷を抑えるためのコツを解説していきます。
誹謗中傷されやすいテーマ、原因
インターネット上での発言は、必ずしも自分自身の名前を明らかにする必要がありません。自分のニックネームや、ユーザーアカウント名さえ登録していれば、自分自身の身元などを明かさずとも、自由に自分が考えることを発言できます。
現実では接点が持ちづらいようなユーザーとも共通のテーマを元に、それぞれが考えていること内容を自由にディスカッションできます。
しかし、残念なことにネットの世界では、ポジティブな発言よりも、他人を批判したり、攻撃的な姿勢を示すような発言の割合の方が数多く存在します。
「こういうテーマに触れると他のユーザーの攻撃の的になりやすい」傾向がありますので、普段、発言するときは、そのような内容については極力控えて、発言するようにしましょう。
PR表現が炎上・誹謗中傷の原因となる
企業が自社の商品やサービスをアピールするためには、他社との違いをPRする必要があります。そのためにキャッチコピーが工夫され、消費者を魅了するために、映像表現で、目を引く描写が必要になることがあります。
消費者のライフスタイル、価値観を揺さぶるような影響力のあるサービスが存在することを伝えるためには、新しい価値観を伝えるために、どうしても誇張表現が必要です。
炎上には、消費者の価値観を深く理解した上で、話題を集める「良い炎上」と批判の的になる「悪い炎上」があります。
前者はネガティブな意見も集まりますが、プラスの意見も多く集まります。後者は、ネガティブな意見の割合が勝ります。
プライベートの悪ふざけが過ぎて、誹謗中傷の原因となる
芸能人や芸術家など、個人のタレント性が評価される人は、自分のプライベートをさらけ出すことで、話題を集めようと画策する時があります。
発言にマナーが無かったり、誰かをネタにするような悪ふざけの発言をオープンにしてしまうと、これまでその人を敬っていたファンから、急に批判的な発言が集まってしまうことがあります。
悪気はなかったとしても、結果的に誹謗中傷となってしまい、相手方から訴えられてしまうケースなどもあります。
「このような発言を拡散したら、情報を受けてはどのように感じるだろうか」という点を常に意識する必要があります。
差別問題に触れてしまい、誹謗中傷の原因になる
インターネット上での発言が、男女差別や人種差別に触れてしまい、炎上してしまう事例は、国内、海外問わず、数多く見受けられます。
このテーマに関する問題は、発言を行った本人自身に、差別問題に踏み込んでいるという自覚がなく、情報の受け手側が差別に値すると受け取ってしまうケースが多いです。
男性が、女性的な感性を意識することが出来ずに配慮のないコメントを発信してしまった時に、女性から批判が集中する場合があります。芸能人や政治家などが、このような批判の的になる例も多くあります。
「異なる性別から見てどうか」「異なる人種から見てどうか」ネガティブ要素に少しでも触れる発言をする場合には、特にこの点を注意しましょう。
twitterの発言が一番、誹謗中傷の原因になりやすい
ライブ配信ができるインスタグラムやYoutubeで、炎上する事例が増えてきました。
このような状況でも、一番炎上しやすいSNSツールは、Twitterです。Twitterは、Facebookよりも匿名性が高いSNSです。
また、ツイートする発言に対して、公開範囲を設定することが出来ません。性質上、炎上に発展する可能性が高いツールに当たるのです。
短いつぶやきによって、ネガティブな発言をしやすく、また人をけん制しやすいため、ちょっとした発言が火種となってしまうのです。
誹謗中傷する人の心理に潜む、攻撃性の原因
誹謗中傷をする人の心理として考えられるのは、おおむね以下の3つのケースです。
人の成功が面白くない、という感情が誹謗中傷の原因に
自分よりも優れや存在に対する妬みや嫉みから、心にもない言葉を送りつけてしまうケース。ネット上では、相手の人間性が見えにくく、「対人コミュニケーション」という感覚がどうしても薄くなってしまいがちです。そのため、どうしてもこうした誹謗中傷は送りやすい環境であるともいえてしまいます。
匿名ゆえの”無責任感”が誹謗中傷の原因になる
誹謗中傷する人の共通点として、徹底的に「匿名」である点が挙げられます。
自分を特定できないようにしてから他者を叩くのは、「自分の言葉に責任を持ちたくない」心情のあらわれであるといえます。
自分を隠れ蓑にすることで相手を攻撃する、2ch等のサイトなどを見てもこの傾向は非常に強いです。
誹謗中傷の原因となる、同調圧力による歪んだ正義感
炎上をすると、どこからともなく誹謗中傷メッセージを送る人が大量に発生します。
優位な多数派に便乗し、誹謗中傷を送る人の心理は、「(便乗しているだけなのにもかかわらず)自分は義憤に駆られている」と思い込んでいる状態であることが挙げられます。
ケースによっては、本当にさまざまな「誹謗中傷する人の心理」がありますが、おおむね代表的なものとしては上記3つが考えられます。それでは、続いてこうした心理に陥りやすく、「誹謗中傷をしやすいタイプの人」を解説していきます。
誹謗中傷をしやすいタイプの人、抱えている原因は?
誹謗中傷しやすいタイプの人は、おおむね以下の2種類。細かく区別すればもっと多くのタイプの人がいますが、今回は特に多いタイプのみを抜粋しました。
「自信がない」ため、誰かを誹謗中傷の的にすることが原因
自分に自信がない人は、一見穏やかに見えますが、実は他人を非常に攻撃しやすい傾向にあります。なぜなら、自分に成功体験がないので、自分の中に他人の成功を「許容」し、賞賛するほどのキャパシティが存在しないためです。
「他人に流されやすい」という原因で、誹謗中傷に走る
他人に流されやすいタイプの人は、何らかの炎上案件が起こってしまった際に、他人が叩いている状況に参加してしまいがちです。
一方、多数派になりにくい状況では誹謗中傷コメントを送るタイプではありません。こうした人の中でも、さらに悪意のあるタイプと悪意なく誹謗中傷を送ってしまうタイプの2タイプがいます。
後者のタイプほど、誹謗中傷を長い間送ってくる人物になりがちなので、速やかに対処をすることをおすすめします。
まとめ│誹謗中傷の原因を作らない情報発信が大事
前置きとして、ネット上で有名になってくると、誹謗中傷する人というのはどうしても発生してしまいますので、完全にシャットアウトすることは不可能です。
ですが、誹謗中傷を抑える手段もあります。「過度に自分を礼賛しない」「特定のコンテンツ・人物を批判しない」等、全体的に謙虚な姿勢でいることです。目立ちにくくはなってしまいますが、火の粉は撒かれにくくなりますので、余計なトラブルに巻き込まれたくなければ、普段からターゲットにならないようにうまく発言していきましょう。
誹謗中傷に対して理解を深め、自由な自己発信ができるようになりましょう。