サジェストが汚染されたら、どのように浄化すれば良いでしょうか。自分自身や会社についての検索ワードでサジェストが汚染されてしまったら、Googleの検索結果にネガティブな情報が上位表示されてしまいます。
サジェスト汚染とはどのような状態か、自分がサジェスト汚染の被害に合ってしまったら、どのように浄化できるのか、対処法を紹介します。
サジェスト汚染
インターネットを利用する上で、検索エンジンが及ぼす影響力は、非常に大きなものとなりました。
会社やサービスの認知度を高めたり、個人のブランディングを行う上で、Googleを利用するWEBマーケティングは欠かせません。ネットユーザーが検索窓で、自分が知りたい内容で検索を掛けようとしたら、ネガティブな単語が列挙されているのを見つけてしまった。
このようなサジェスト汚染が起こっていては、会社名や個人名の名誉が低下してしまう可能性があります。サジェスト汚染とは何故起こってしまうのでしょうか。
サジェストの仕組み、汚染・浄化が起こる前
Googleなどの検索エンジンを利用して、自分が気になっていて「調べたい」と考えているキーワードを入力した時に、入力した単語に関連したキーワードが検索候補として表示される状態を確認できます。
これから知りたい、知識を深めたいトピックについて調べようとした時に、関連する単語が表示されるので、便利な機能です。
サジェストで表示されるキーワードは、Googleの検索アルゴリズムによって、自動的に生成されます。関心のある企業や個人名、サービスなどを検索窓に入力した時に、関連キーワードとして、表示されるサジェストは、自分以外の多くのユーザーが、過去に検索してきた検索回数や、トレンドとして取り上げられている、多くの人が関心を寄せているキーワードなど、複数の要因を元に、決定されます。
サジェストは予測変換であって、たくさんの人が調べるであろう関連キーワードを、累積された検索クエリを抽出することで表示させています。
ユーザーが検索で求めている答えを予測して、検索結果として表示させているわけですから、このサジェストで表示されるワードを分析すれば、ネットユーザーがどのような内容に関心を持っているかを把握することが可能です。
サジェストが汚染された状態・浄化の必要性
自分が、転職活動や就職活動中の状態であったとします。
仮に内定をもらうまで話が進んでいたとしても、入社する意思が低下してしまったり、入社しても大変な目に合ってしまうのではないか、と不安になってしまうかもしれません。
場合によっては、内定を辞退してしまう状況に繋がってしまったり、求人を出しても、応募がないという事態となる可能性もあります。
自分が知りたい会社やサービス、個人名などについて検索しているユーザーが、ネガティブな関連キーワードが表示されている状態を見つけてしまったら、対象の会社や人に対して、良くない印象を抱いてしまいます。
企業側にとっても、自社について知りたいユーザーが、ネガティブな印象を受けてしまうのは、好ましい状況ではありません。
サジェスト汚染はなぜ起こる?
汚染されているキーワードが含まれたコンテンツが、インターネット上に存在していて、これらの内容で検索される回数が一定数あれば、サジェスト汚染が起こります。
企業名や個人名で検索をかけるユーザーの多くは、評判を知りたがっています。口コミや評判についての検索ニーズは非常に強く、サジェスト汚染が起こってしまう状態の背景には、ネガティブな情報を書きこんでしまうユーザーが、一定数存在するという状況があります。
サジェストが汚染されてしまうことで、事前知識のないユーザーが、特定の企業や個人名を調べた時に、ネガティブな検索結果にアクセスしやすくなるという状況が生まれます。
後ろ向きの情報が、上位表示されてしまうことで、企業や個人のブランド名が損なわれてしまう結果をもたらしてしまうのです。ネット上で炎上が発生して、ネガティブな情報がネット上に蔓延してしまったとしたら、ユーザーはネガティブな情報を調べやすくなり、結果としてサジェストが汚染されていきます。
サジェストが汚染されることで、ユーザーはネガティブな情報が書き込まれた情報を探しやすくなります。炎上に至る経緯や、事実関係を知ることのないままネット上の情報だけで物事を把握したユーザーは、それらの情報を元に、該当の会社や人物について、後ろ向きな情報を発言するようになります。
このようにして、情報の負のスパイラルが起こります。
サジェスト汚染の実例
googleが提供している検索エンジンは、多くのインターネットユーザーにとって、無くてはならない存在になっています。自分の生活に関する情報や関心のあるトピックは、スマホで検索されることで、容易に入手することが可能です。サジェストが汚染されてしまうことで、企業や個人のブランドイメージに対して、大きな影響をもたらします。
サジェスト汚染は、規模の大小を問わなければ、数多くの事例があります。実際に、どのような状態で起こったか、見ていきましょう。
ペヤングのサジェスト汚染から信頼回復まで
ソース焼きそばの「ペヤング」で異物が流入していた騒動から、ネットで炎上した騒動です。
2014年にツイッターユーザーである、ある大学生が、ある日「ペヤング」に異物が混入しているのを発見しました。発見者は、保健所や「まるか食品」へのやり取りをtwitter上にアップしたところ、ネット上の拡散が起こり、ニュースに取り上げられるまでの影響を及ぼしてしまいました。
拡散の状況を見ていたインターネットユーザーが、一斉にペヤングに混入していた異物について検索をかけたことで、サジェストがネガティブなワードで汚染されていきました。
現在は、販売を再開しているものの、検索サジェスト上には、当時の痕跡が見受けられます。話題となったペヤング自体は「ぺヤンガー」と呼ばれる根強いファンが存在していて、イメージ回復のために発売された新商品を好んで受け入れました。
2016年の冬以降、毎月1点のペースで限定フレーバーの商品を発売していて、ファンを満足させながら、かつての信頼を取り戻していきました。
唐澤貴洋さんのサジェストが浄化されるまで
唐澤貴洋さんは、インターネットに強い弁護士として、知られています。現在では、専門家としての知名度がありますが、その名が知られるようになったのは、きっかけがあります。
唐澤貴洋弁護士は、2chのスレッド内で、嫌がらせを受けていた少年から、書き込み削除の手続きを依頼されました。
解決のために、スレッド内で行った発言がきっかけで、自らも炎上に巻き込まれていきます。2chには「なんでも実況J版」と呼ばれる掲示板が存在していて、ここに集まるユーザーは「なんJ民」と呼ばれています。
唐澤貴洋さんは、このなんJ民にネタとして取り上げられてしまっていたことから、なんJ民は無関係なサブカルチャーのゲームやキャラクターを検索すると、本人の名前がサジェストに表示されるように、ネット上で発言しました。
本人の個人名を検索した時にも、ネガティブなワードや一般のユーザーが誤解を招くようなサジェストワードが表示されるように「なんJ民」が、本人をネタとして取り上げるような穿った情報発信を行ったのです。
現在の本人のサジェストには、ネガティブなワードは表示されなくなっており、本人についてのユーザーの認知度や、評価、検索ニーズが変化しています。
汚染されたサジェストを削除する方法
実際に、自分の個人名や自分の勤め先の会社がサジェスト汚染の被害にあってしまったら、どのように対応すべきでしょうか。
自分で削除申請する
Googleにはサジェストの削除申請フォームが設けられています。2011年頃から「忘れられる権利」についての機運が高まりました。
これらの出来事がきっかけとなり、Googleは「権利侵害に該当するコンテンツ」であれば、削除を受け付けてくれます。
実際に削除される対象は、サジェスト表示の原因となるコンテンツで、サジェストそれ自体ではないことに注意しましょう。
弁護士に依頼する
サジェストが汚染されてしまうと、該当の会社や個人名などについて、著しくブランドイメージを損なうなど名誉が低下したり、権利侵害などの問題が発生します。
自分だけで対処しようと考えると、状況が難航してしまいますので、弁護士に任せて、法的な問題も合わせて対処した方が、スムーズに事が運ぶことが多いです。
弁護士は、それぞれ得意とする専門分野があるため、ネット上の問題解決に詳しい弁護士に相談してみましょう。
誹謗中傷対策業者にサジェストの浄化を依頼する
弁護士以外の相談先として、誹謗中傷対策業者が挙げられます。
サジェスト汚染を解消させて、関連されるネガティブなキーワードが表示されないように施策してもらうことが可能です。
ケースバイケースで、対処法が異なりますので、相談先は、複数あった方が最適な解決方法が見つかりやすいです。
まとめ|サジェストの浄化はネームバリュー保護に必要
サジェストが汚染された状態を解消して、企業名や個人名のブランド力、ネームバリューを保護するのは、ネガティブな評判が蔓延しないようにするには、有効な手段です。ペヤングや唐澤貴洋さんの事例に見られるように、炎上が拡大したり、サジェスト汚染が始まってしまうきっかけは、ほんの些細な投稿からです。
徐々に火種が広がって、取り返しのつかない状況まで発展しないように、インターネット上にネガティブな書き込みを発見したり、サジェストに後ろ向きな検索ワードが見受けられたら、被害が拡大しないように、早急に対応策を検討しましょう。