Yahoo!で調べものをする時、検索欄に文字を入れている途中に関連するキーワードが自動で候補として表示されるサジェスト機能。文字入力時間の短縮にもなりますし、一緒に検索したいけど思い出せなかった単語を表示してくれたりするのでとても画期的で便利な機能です。
しかし、表示されるワードは自動で選ばれるため、人によっては自分の名前や働いている企業名を検索した際にサジェスト欄に風評や名誉毀損(事実の場合も含む)になる単語が表示されてしまう場合があります。本記事では、Yahoo!サジェストの基本的な情報や、もしもサジェストに風評ワードが出現してしまった場合の対処法を記載していきます。
Yahooサジェストとは
Yahoo!のページを開き、検索窓に調べたいキーワードを入力すると、その検索ワードに応じてユーザーが調べたいであろうと推測されるワードの候補が表示されます。これをサジェスト機能と言います。Yahoo!では、公式には「キーワード入力補助機能」と呼ばれており、サジェストに表示されるワードの事は「関連検索ワード」と表記されています。
サジェスト検索のメリットは、Yahoo!独自のアルゴリズムで他のユーザーが多く調べているワードなどを優先的に表示させているため、調べる人のニーズに合いやすく、かつワード候補として表示させる事でタイプミスの可能性もなくなります。関連する語句として知らなかったワードも自動で表示してくれるので、調べたいワードをはっきり思い出せない場合などにも便利です。
Yahooサジェスト(関連検索ワード)の表示条件
Yahoo!の公式では、表示するワードの選定について次のように説明しています。
「関連検索ワード」の情報は、Yahoo!検索の利用者が入力したキーワードや、その組み合わせを機械的に収集・処理した結果をもとに、検索キーワードの組み合わせなどを自動的に表示しています。
本機能は、お客様が、キーワードを追加したり、キーワードを入力し直したりする手間を減らし、より簡単に目的の情報にアクセスできるよう補助するために、一定のアルゴリズムに基づいて、検索キーワードを表示しています。
検索キーワードの組み合わせなどは、再検索結果ページへのリンクを自動的に表示する機能であり、特定のキーワードなどを推奨する機能ではありません。
この「一定のアルゴリズム」に関しての詳細は非公開ですが、傾向としては多くのユーザーが検索ワードとして入力しているキーワード、及びトレンドを意識したタイムリーなワードを表示する事が多いとされています。
「サジェスト汚染」とは?
こういったYahoo!サジェストワードの表示条件を逆手に取り、「〇〇株式会社 悪質」など「攻撃したい検索ワード」+「ネガティブワード」で大量に検索を行ったり掲示板・SNSなどに繰り返し書き込んだりする事で、人為的に他人(またはライバル企業)を貶めようとする人もいます。このような行為を「サジェスト汚染」と言います。
こういった行為を使われることにより、Yahoo!のアルゴリズムがネガティブワードを「たくさんの人が知りたがっている情報」と誤認識してしまい、サジェストにネガティブワードが多数表示されてしまうのです。
Yahoo!サジェストにネガティブワードが表示された時の影響について
検索したワードと一緒にネガティブワードが表示された場合はどんな影響が起こるでしょうか?企業・個人それぞれにYahoo!サジェストにネガティブなワードが表示されてしまった際に受けてしまう被害についてまとめました。
企業では採用辞退や取引中止に繋がる場合も
企業の名前と共にサジェストに表示されやすいワードと言えば「ブラック」や「倒産」などの経営に関わるネガティブワード。いくら採用サイトや転職支援サイトにアピールポイントを多数掲載していても、今や採用希望の面接に応募する人が予め会社の名前を検索エンジンで直接調べて実情を探るのはメジャーな行為。検索した時、真っ先に「〇〇株式会社 ブラック」などと出現したら「この会社はブラックなんだ・・・」と考え採用や面接を辞退する事も考えられます。また、そういったマイナスイメージは取引先との関係にも影響します。「行政指導」や「経営危機」などのワードが表示されている場合も信用を失ってしまうので注意が必要です。
飲食業界やメーカー企業でも、例えば「〇〇(レストラン名) 異物混入」や「〇〇(化粧品名) 効果なし」などがサジェストに表示されてしまった場合、検索した人はその情報をそのまま信じてしまう可能性もあり、悪い口コミをたくさん書かれてしまったり不買運動が起こったりするなど、売上や評判に大きく影響が出てしまいます。
個人でも「逮捕」「詐欺」などのワードに注意
個人名と共にネガティブワードが表示されている場合について考えてみましょう。例えば、婚約者の個人名を検索した際に「逮捕」や「詐欺」などと表示されたらどう思うでしょうか?同姓同名の全く別人である可能性もありますが、不安に思う人は一定数いると思います。本人同士は大丈夫でも、それが理由で婚約者のご両親に反対されてしまう場合もあるでしょう。その他にも、企業の採用や賃貸の審査などでもインターネットで個人名を検索される場合があり、このようなネガティブワードが表示されていると不利になってしまう事もあります。
Yahoo!サジェストに出現したネガティブワードを削除するには?
もし、Yahoo!のサジェストにネガティブなワードが表示されてしまった際に自分でできる対処法をご案内します。
Yahoo!に削除申請をする方法
サジェスト(関連検索ワード)の削除申請は、「Yahoo!検索 – 関連検索ワードに関する情報提供フォーム」から行う事ができます。
- 検索結果ページのURL
検索結果のアドレスバーに表示されたアドレス(URL)をコピーし、入力欄に貼り付けます。複数申請する場合は、「検索結果ページのURL2」の欄も利用します。 - 関連検索ワード
事実無根のキーワードなど、サジェストに表示されてしまったネガティブワードを記入します。複数ある場合は、「関連検索ワード2」の欄を使いましょう。【記入例】
「〇〇株式会社 経営危機」
「株式会社〇〇 過労死」
「〇〇(個人名) 詐欺」 - 詳細
削除の希望理由を記入します。表示内容が事実と異なる場合はその旨を記入し、削除したいネガティブワードが表示されている事で受けた被害について記入します。できるだけ丁寧な言葉での記入を心がけましょう。【記入例】
「サジェストに「経営危機」というワードが出ておりますが、弊社には経営危機といった事実はございません。このワードを理由に採用を辞退されてしまうといった影響が出ているため削除を希望致します。」
Yahoo!へのサジェスト削除申請は、認められた場合は最短1日で削除してもらえる場合もあります。申請の際に電話番号やメールアドレスなどの個人情報は一切記入してはいけないため、削除の承認・却下に関してYahoo!側からの返答はありません。結果の判断に関しては1週間から10日程度をみておくと良いでしょう。
Yahoo!へのサジェスト削除申請が通らなかった時の対処法
Yahoo!へのサジェスト削除申請は難しくなく個人でも簡単にできますが、申請を送ったからといって全てが削除される訳ではありません。もしも申請が通らなかった場合は弁護士か誹謗中傷・風評対策業者に相談すると良いでしょう。以下では、それぞれのメリットを踏まえて紹介します。
弁護士に依頼して削除申請をしてもらう
Yahoo!へのサジェスト削除申請は紹介した手順で個人でも行う事ができますが、個人では削除依頼がどういった法律違反を根拠に申請できるのか分からない場合も多いと思います。削除依頼の詳細を書く時に悩むようなら、いちど弁護士に相談してみるのもオススメです。弁護士なら法律のプロですし、他の人が申請した削除の前例なども把握している場合もありますので、どういった削除申請をすればYahoo!が削除に応じてくれるのか対策を立てやすくなります。
削除申請したいワードがとても多く、個人では手が回らない場合など、申請自体を弁護士に全てお任せする事もできます。申請は基本的に被害者本人でないと受け付けてもらえませんが、弁護士なら代理申請が可能なのです。
弁護士に依頼をする場合は、インターネットトラブルに詳しく、対応実績がある方を探してお願いするようにしましょう。
誹謗中傷・風評対策業者に依頼して解決を目指す
もし、削除したいサジェストワードが法的な理由では削除不可能だった場合は、誹謗中傷・風評対策業者に依頼する必要があります。誹謗中傷・風評対策業者はインターネットの専門家が集まっており、サジェストの非表示施策や逆SEO施策などの対策を行い、インターネットで風評被害が広まるのを防いでくれます。
削除するよりも解決に時間がかかってしまう場合もありますが、「成果報酬型」か「月額固定型」といった支払方法を選べる業者も多く、予算が少ない場合でも対策が可能である事が多いです。金額的なメリットが大きいため、サジェストにネガティブワードが表示されて困った場合は一度相談してみると良いでしょう。
まとめ|Yahoo!サジェストが汚染されたら早めに削除を!専門家への依頼も考えておこう
インターネットの検索エンジンは、インターネットに接続できる機器を所持していれば誰でも簡単に使う事が出来ます。Googleに引き続きYahoo!は日本で2番目に多く使われている検索エンジンなので、そのサジェストにネガティブワードが表示された場合の被害はとても大きいと考えられます。
サジェストのネガティブワードは放置しておくとその時間分被害が拡大すると考えても良いほど重要な問題ですので、見つけたらすぐに対策をする事が大切です。まずは、自分で削除申請をしてみると良いでしょう。削除が難しい場合は専門家に対策を依頼します。法律的な根拠を持って削除できる場合は弁護士に、法律では解決が困難だった場合は誹謗中傷・風評対策業者に依頼するようにしましょう。