誹謗中傷・風評対策

ネットの誹謗中傷で被害にあったとき弁護士が対応できること

インターネットの誹謗中傷による弁護士の対応

もし、インターネット上の誹謗中傷にあってしまった時、弁護士はどのように対応してくれるでしょうか。ネット上の誹謗中傷による被害件数は、年々、増加傾向にあります。 2012年の時点で、約500件でしたが、16年に1900件まで増加しています。 毎年、過去最高を記録している状況を見ると、今後も増加していくことが予想されます。

インターネット上での情報の拡散が、日常的に行われている状況のため、企業であっても、個人であっても、誹謗中傷を書き込まれてしまう可能性は、どこにでも存在しています。
もし、実際に誹謗中傷にあってしまった場合や、悪意がなくても、意図せず加害側に回ってしまう可能性もあります。

誹謗中傷の事例で弁護士が対応できること・注意点

もし、掲示板に自分の名誉を下げてしまうような書き込みをされてしまうなど、インターネット上で、誹謗中傷に合ってしまったとしたら、プロバイダ責任制限法にもとづいて、サイト管理者へ連絡を取ったり、場合によっては、賠償請求を行ったり、1人だけでは問題解決しづらい状況に立たされることが多いです。

  • 発信者情報の特定
  • 書き込みの削除申請
  • 相手方への賠償請求

問題解決の手順としては、上の順序で進んでいきますが、それぞれのステップの詳細を見ていきましょう。

弁護士による誹謗中傷の発信者特定

ネット上で誹謗中傷に合ってしまった場合、まず苦慮する点が、中傷を書き込んだ相手方の情報を把握することです。インターネット上のコメントなどによる情報交換は、匿名によるやり取りで成立しています。 特に掲示板などでの書き込みは、自分の名前を明かさずに、匿名のユーザー名でのやり取りであるがゆえに、自由に発言することが可能になり、言論の自由が保たれています。

誹謗中傷の書き込みが問題となった時に、この匿名性が隠れ蓑となり、相手の情報がわからずに、情報の削除を行ったり、何らかの訴えを出したいと考えても、アクションを起こせなくなってしまいます。誹謗中傷の書き込みを行った情報の発信者は、自分の書き込みが相手の名誉を低下させた場合、加害者となります。

そのため、被害者側からは、加害者側の情報を開示するよう、サイト管理者に対して「開示請求」を行い、発信者の氏名や連絡先、IPアドレスなどの情報を明らかにするよう申請を行うことが出来るのです。

一個人がこの手続きを行うのは、煩雑で骨が折れる作業ですが、弁護士に依頼すれば、本人に代わって、開示請求を行ってくれます。

弁護士による誹謗中傷の削除申請

弁護士の誹謗中傷削除
誹謗中傷の書き込みがされてしまった時に、書き込まれた内容よりも、それらが、多くの人の目に晒されて、世界中の人が閲覧できてしまう、という状況に、非常に心理的な負担を感じる人は多いです。

自分自身が書き込みをされてとしたら、一刻も早く情報が削除されることを願うでしょう。しかし、多くのユーザーが参加しているサイトで、すぐに情報を削除するのは、簡単ではありません。まずは、サイト管理者に対して、削除の申請を送るのが一般的ですが、申請を提出したとしても応じてもらえないこともあります。その場合は、裁判所を通じて、訴えをおこすなど行動が必要になりますが、1人でこの作業を行うのは、非常に負担です。

弁護士を味方につければ、このような手続きも代わりに行ってくれます。

誹謗中傷の賠償請求を弁護士が行う

開示請求によって、誹謗中傷の発信者の身元が分かれば、慰謝料の請求などの訴えを起こすことも可能です。自分自身が日中仕事をしていて、書き込まれてしまった誹謗中傷に対して策を打つ時間が十分に確保出来ない場合などは、弁護士が代理人として、手続きを進めてくれるのです。

弁護士の誹謗中傷に関しての実績と評判に注意

弁護士の誹謗中傷対処の評判に注意
全ての弁護士が、インターネット上の誹謗中傷に対して、専門的な知識を有しているわけではありません。

対応する弁護士によって、得意分野があります。また、対応実績や評判の善し悪しがあります。実際に弁護士に依頼してみたら、誹謗中傷が削除されるどころか、ますます増えてしまった。調べたところ、対応に当たったのは非常に評判の悪い弁護士だったという事例もあるほどです。

誹謗中傷についての対応を行う場合には、焦りは禁物です。弁護士に相談する時や、業者に依頼する時などは、慎重に自分自身の目で見極めて、信頼できる人・機関に依頼しましょう。

誹謗中傷で弁護士に依頼、慰謝料はいくらもらえる?

インターネット上で匿名で発言することが、日常的に行われている今の状況では、自分の発言によって及ぼす影響を省みる機会は多くはありません。

人が軽々しく発言した内容で、自分の名誉が損なわれてしまったり、自分が行った発言によって、人の名誉が傷ついてしまうことも、日常茶飯事で起こり得ます。このことを普段から意識しているインターネットユーザーは非常に少ないのが現状です。

自分が被害に会ってしまった時にどのくらいの慰謝料が請求できるのか、事前知識を得ておくことで、万が一の時の見通しを立てやすくなります。

誹謗中傷が名誉毀損に当たる場合

誹謗中傷によって、自分の社会的価値が低下させられてしまった場合、名誉毀損に該当します。この場合は、10万~50万円、もし事業主が名誉棄損を受けた場合には、50~100万円となります。

侮辱罪の場合 弁護士による請求額

誹謗中傷によって、事実の提示なしに罵倒されてしまったら、侮辱罪に該当します。この場合には、10~50万円が目安になります。

プライバシー侵害による誹謗中傷の場合

情報の発信者によって、自分の個人情報が公開されてしまった場合には、プライバシーの侵害に当たります。この場合には、10~50万円が相場になります。

誹謗中傷対策業者とは?弁護士との違い

誹謗中傷対策業者の対応は、弁護士の場合と少し異なり、基本的には、逆SEOと呼ばれる手法によって、誹謗中傷などのネガティブな情報が、検索エンジン上で上位表示されてしまうことを防いだり、口コミ投稿で悪い評判を目立たないようにしたり、サジェスト上にネガティブなワードが表示されないように、対策するなど、様々な手法で誹謗中傷の内容が多くの人の目に触れることを防いでくれます。

逆SEOは、必要な情報を正しく検索エンジンに認知させるためのSEOの手法を基本にしているため、ネガティブな情報を隠すだけでなく、ポジティブな情報発信を促すためにも有効な手段だと言えます。

弁護士は、掲載されてしまったネガティブな情報そのものや、書き込みを行った発信者自身に対しての措置を行います。それに対して誹謗中傷対策業者は、ネガティブな情報によって、発生する、インターネット上の悪い影響を阻止する役目を果たします。

誹謗中傷対策業者に依頼するメリット・デメリット

誹謗中傷対策業者・弁護士との違い
書き込まれてしまった風評の状況にもよりますが、誹謗中傷対策業者に依頼した場合には、短期間でネガティブな情報が検索エンジン上から表示されないような状態に出来る場合もあるため、効果が実感しやすいという特徴があります。

弁護士に依頼した場合に、ネガティブな情報が書き込まれたサイトの管理者が、削除に応じてくれない場合や、発信者の情報開示に難航してしまった場合などには、誹謗中傷対策業者の方が効果的です。

ただ、ネガティブ情報そのものを消去するわけではないので、根本解決にならない場合もあります。そのため、もし、ユーザーに注意して情報検索した場合に、誹謗中傷が書かれたページにたどりついてしまう場合もあります。

長期間、業者が対策していれば、ネガティブな情報が検索結果の圏外まで押し下げられる場合もあるため、自分がどのくらいの期間で、どういう状態を望んでいるのかを見極めて、弁護士に依頼するのか、業者に依頼するのか、などを決めていきましょう。

誹謗中傷対策業者に依頼・弁護士との兼ね合い

誹謗中傷対策の依頼、弁護士との兼ね合い
弁護士以外が法律事務を取り扱ってしまった場合に「非弁行為」と呼ばれ、違法に当たります。対策業者の中には、決して多くはありませんが、このような対応を行っている悪徳な業者も存在しています。

そしてトラブルが表面化すると、最悪、依頼した本人にも悪い影響が出る場合もあります。しっかり責任を持って対応してくれる会社かどうか、見極めるためには、会社情報(代表者名や住所など)を公開しているか、実際に担当者と会って話をして、信頼できるかどうか、自分自身の目で見極めて、施策の期間や料金など、条件面も加味して、依頼するどうか決めましょう。

また、業者がこれまでどのくらいの実績を出しているか、解決事例などもポイントにしましょう。

まとめ│誹謗中傷の弁護士への依頼は下調べが大事!

インターネット上の誹謗中傷の件数が、毎年増えているため、対応を熟知している弁護士も増えてきている状況にあります。泣き寝入りしてしまう前に、現実的にどのような解決方法があるのか理解して、対処にあたりましょう。また弁護士以外にも、状況に応じて法務局や警察、誹謗中傷対策業者などへの依頼も検討しながら、自分の状況を把握して、相談すると良いです。

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