ネット記事は、毎日のニュースや興味のある事柄を手軽にどこにいても読むことが出来て便利ですが、もし誹謗中傷・名誉毀損となる内容だったり個人情報が記載されていたりしたら当然削除したいですよね。本記事では、ネット記事に誹謗中傷や個人情報、権利を侵害する情報が載せられてしまった場合の削除方法を記載しています。
ネットの記事ってどれくらい読まれているの?
新聞通信調査会(JRI)が調査を行った最新の「第12回 メディアに関する全国世論調査」の報告書には、インターネットに投稿された記事に関して次のような記述があります。
「情報源として欠かせない」は、新聞と NHK テレビでは年代が上がるほど、イン
ターネットでは年代が下がるほど挙げる人が多くなる傾向があり、50 代まではインターネットが1位、60 代以上で新聞が1位となった。
引用:第12回 メディアに関する全国世論調査(PDF) 公表日:2019年11月2日
他に、「毎日のニュースとの接触率」の項目でもインターネットは全体で42.8%と、民法やNHKのニュースに次いで高く、年代別に見た場合では30 代以下ではインターネットが1位という結果になっています。
インターネットの記事が読まれるのは、全年齢的に見ればまだテレビのニュースと変わらない程度と言えますが、10代~30代といったSNSなどに多く触れており拡散能力の高い年代が多く利用している事もこの調査結果からわかります。
ネットのニュース記事は文字で説明しているものが多い上、スマホなどのモバイル端末からの閲覧が殆どでスクリーンショットやコピペなども簡単にできます。つまり、ネットの記事に書かれている情報は、テレビの報道よりもSNSなどで拡散されやすいという事です。
また、同調査の結果として掲載されている、「報道によってプライバシーが侵害されていると思うか」という質問に対して「思う」と答えた人が76.1%となっており、中でも 20~30 代では 87.4%~87.5%の人がプライバシーの侵害があると考えている結果が出ているという点も注目すべき項目ではないでしょうか。インターネットに書かれた記事を拡散しやすい世代である一方、拡散されやすい世代とも言えるため、インターネットにおけるプライバシー侵害に対して危機感を持っている人も多くいます。
ネット記事で削除できるものはどんな内容?
日本では「表現の自由」が認められているため、ネットで記事にされたからと言って簡単に削除できる訳ではありません。違法性がないと判断されてしまった場合は、削除申請をしても断られてしまう場合もあります。
ネットの記事で書かれて削除したいと思う原因に当てはまるものは、大きく分けて下記に分ける事が出来るでしょう。
- 名誉毀損罪
- 侮辱罪
- 肖像権の侵害
- プライバシーの侵害
- 著作権の侵害
主に以上の法律に違反すると認められたものに関しては削除が出来る可能性があります。
ネット記事に書かれた逮捕歴の削除は難しい?
過去に何らかの事件の被疑者として警察に逮捕されてしまった経験がある方は、しっかりと罪を償って出所した場合や嫌疑不十分で不起訴になった場合、誤認逮捕だった場合など様々な理由で当時のネットニュースに掲載されたままの情報を削除したいと考える事もあるでしょう。
流し見する人が多いテレビのニュースや読み終わったら捨ててしまう紙媒体の新聞と比べ、インターネットのニュース記事はかなり時間が経った後の情報も手軽に閲覧出来てしまいます。就職や交際・結婚など、重要なライフステージの場面で枷になってしまう場合もあります。
逮捕歴が載ったネット記事が削除出来ないときとは?
いくら犯罪を犯したからといって、個人の実名を掲載したらプライバシーの侵害にあたるのではないか?と考える人もいると思います。それでも実名での報道が可能なのは、各報道局に「表現の自由」があり、国民には「知る権利」があるためです。
また、削除できるかどうかの論点に「プライバシーの侵害」が当てはまるかどうか、が重要なポイントになるのですが、もしも実名報道された人の職業が政治家や公務員、芸能人、有名企業の社長などだった場合、その報道は「公共の利害に関する」と判断され、いくら削除したいと申し出ても「名誉毀損には当てはまらない」とされてしまう可能性が高くなってしまいます。
逮捕歴の削除については、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
ネット記事の削除依頼方法を解説します!
インターネットのサイトに載せられてしまった記事の削除依頼をしたい時は、どういった場所に通報すれば良いのでしょうか?普段の生活でよく見るニュースサイトを例に削除申請の流れを見てみましょう。
NHKニュースの場合
NHKニュースの場合は、「NHKにおける個人情報保護について」というページで個人情報の取り扱いについて詳しくまとめています。同時に、NHK放送センターまたは全国の放送局各窓口にて個人情報の相談も受け付けています。
“求め”の種類
次のような個人情報保護に関する“求め”ができます。
・利用目的の通知
・開示の求め
・訂正等の求め(内容が事実でないという理由による)
・利用停止・消去の求め(利用目的の範囲外で取り扱われている、適法かつ適正な手段によって取得されていないという理由による)
・第三者提供の停止の求め(本人の同意を得ないで第三者に提供されているという理由による)
事実でない内容が書かれている場合や、本人の同意を得ない個人情報が勝手に掲載された場合は、専用の申込書に記入して、窓口に提出します。
参考:NHK個人情報保護ホームページ 求めの用紙のダウンロード
目的別に記入する書類が違いますので、必要なものをダウンロードして使用して下さい。
Yahoo!ニュースの場合
Yahoo!ニュースの記事を削除したい場合は、Yahoo!に連絡をするのではなく、各記事を提供している情報提供元に連絡をしなければなりません。
記事の内容に関する指摘・問い合わせ
該当記事のニュース提供社へご連絡ください。
Yahoo!ニュースは、情報提供元より配信される情報を掲載しています。記事は情報提供元の編集方針に基づいて編集されています。なお、Yahoo! JAPANでは情報提供元への取り次ぎは行っておりません。ご了承ください。
Google ニュースの場合
Googleニュースの記事を削除したい場合は、まず情報提供元に連絡をして削除したあと、Googleの方にも連絡をする必要があります。
Google ニュースからコンテンツを削除する方法
Google ニュースから不適切なコンテンツを削除するには、次の操作を行います。
1.ご自分のサイトから該当するコンテンツを削除します。
注: ご自身でコンテンツを公開していない場合は、ニュース メディアに直接連絡してサイトからコンテンツを削除してもらい、Google ニュース チームに連絡するよう依頼してください。
2.robots.txt のエントリを設定して、Google ニュースが該当するコンテンツをクロールできないようにします。
Google 検索からコンテンツを完全に削除するには、Google から情報を削除する方法をご確認ください。
インターネットに掲載された記事をGoogleの検索結果からも削除したい場合は、別の手順が必要となります。「Google から情報を削除する」というページに手順が詳しく載っていますので、参考にして見てください。
自分で申請したけどネット記事が削除されなかったとき
自分の誹謗中傷や個人情報、逮捕歴などがネット記事に書かれている事を理由に削除を求めても、必ずしも削除して貰えるという訳ではありません。もしも削除の対応をしてもらえなかった時に相談できる2つの機関を紹介します。
確実に法律に違反している場合は弁護士を頼ろう
ニュースサイトにネット記事の削除を申請したのに削除されなかった場合は、削除の理由や削除の根拠となる被害の証拠が不十分と捉えられてしまった可能性が高いと考えられます。そういった場合に削除申請の代行を請け負ってくれるのが弁護士です。
もしも削除したいネット記事が法律に違反していた場合は、「送信防止措置」という手続きを取ってもらいましょう。送信防止措置の手続きには、記入が必要な書類もありますが、そういった書類の準備をはじめ、手続きの書類で一番重要である「その記事のどの部分がどういった法律に違反しているか」という理由も明確に、相手に伝わるように記入してくれます。送信防止措置自体は被害者である本人が手続きを行う事もできますが、書類の記入等初めての人には難しい場合が多いので、もしも金銭的に余裕があるならプロにお願いした方が確実です。
ニュースサイトからネット記事の削除が認められた場合は、最短で1日~1週間程度をみれば削除が完了します。すでにネット掲示板などに転載されてしまっていた場合は、それ以上の時間がかかる事もあります。また、相手のサイトが「送信防止措置」を認めず、法的手続きを行う場合も、大体1~2ヶ月程度の時間がかかります。
法律に違反していないと言われてしまったら誹謗中傷会社に相談してみよう
弁護士などの有識者に相談してみた際に、「この記事の内容だと法律に違反していない」という結論になる事もあります。法律に違反していない記事は、法的な効力で削除する事は出来ません。
そんな時に相談できるのが誹謗中傷対策会社となります。誹謗中傷対策会社は、弁護士のように削除の代行をする事は弁護士法で禁止されています。しかし、どうしても削除ができない記事だった場合でも「サジェスト対策」や「逆SEO対策」などの手法を用いて削除したかった記事をインターネットで検索されにくくする対策をしてくれます。また、あらかじめ予算を伝えればできるだけ予算にあったプランも考えてくれるので比較的安価で対策を行う事ができます。見積もりだけなら無料で行ってくれる会社が多いので、困ったら一度相談してみましょう。
まとめ|ネット記事は半永久的に残る!削除申請が通らなかった場合はプロに相談を!
ネット記事に掲載された誹謗中傷や個人情報、権利を侵害する情報は、何もしなければ半永久的にインターネットに存在する事となります。また、逮捕歴が掲載された記事が出てしまった場合は、残っている事で(例え冤罪や不起訴だったとしても)今後の重要なライフステージで悪影響が出てしまう可能性もあるでしょう。
ネットの記事を削除したい場合は、各ニュース記事を提供している会社に削除申請を行う事になります。難しい場合や、削除申請が通らなかった場合はプロに相談してみる事もオススメです。