初めてのサロンや飲食店を予約する時に便利なホットペッパー。もしも自分の店の口コミに事実無根の誹謗中傷が書かれていたら客足が伸び悩んでしまうかもしれません。本記事では、ホットペッパービューティーのパターンをメインに、掲載された口コミの削除は可能なのか、どういった対策が有効なのか説明します。
ホットペッパーってどんなサイト?
ホットペッパーと言えば、「ホットペッパービューティー」や「ホットペッパーグルメ」など、お店を予約する際に利用している人が多いサイトですよね。
ホットペッパーは元々毎月最終金曜日に日本全国で配布されているフリーマガジンで、同じようにブラウザやアプリも展開しています。お店を利用する際にお得になるクーポンが掲載されているので、行ったことのないお店の新規開拓にも使える優秀なサイトでもあります。インターネットの普及によってフリーペーパーの発行部数は少なくなりましたが、サイトやアプリの利用者はとても多いのが現状です。
ホットペッパーを発行・運営しているのは株式会社リクルートの子会社である株式会社リクルートライフスタイルです。ホットペッパーの他にも旅行予約サイトの「じゃらん」やオンライン通販サイトの「ポンパレモール」など多種多様なサイトの運営を行っています。
とくに「ホットペッパービューティー」は日本国内最大級のヘアサロン・リラク&ビューティーサロンの検索・予約サイトとして、20~40代を中心に年間1億件以上ものネット予約件数を実現していると発表されています。
その功績に留まらず、たくさんの「きれいになりたい」というニーズに応えるため、2020年春には新たに美容クリニックの情報も提供開始する事が決定されており、今後さらに多くの美容関係店舗が関わっていくサイトとなっていくのは必至です。
ホットペッパーに風評が書かれていたらどんな被害がおこる?
ホットペッパービューティー経由で美容院やネイルサロンなどを予約したお客さんに、利用後口コミの投稿をお願いしているサロンも多くあります。初めてのサロンを探す際に、お客さんはもちろん掲載されている魅力的なイメージ写真を参考にしたり、お得なクーポンを掲載していたりするサロンを選ぶ事もありますが、同じくらいサロンを利用した人の感想を重要視するためです。
初めて行くサロンに対して、利用客側の印象を知るために口コミを参考にする人が多いので、例えば「予約して行ったのにかなり待たされました」などと書かれてしまった場合は忙しい人からは嫌厭されてしまいます。その程度なら痛手にはならないかもしれませんが、もしも「○○さんはカットもトークも下手なので指名しない方が良い」「もう行かないしこの美容室は絶対オススメできません」などといった風評が掲載されていたら、事実無根であっても「行かない方がいいかな・・・」と思ってしまうのがお客さんの心理です。また、放置しておいた事が原因で、第三者からSNSやブログなどを通じて拡散されてしまい、ホットペッパー以外の場所に広がってしまう恐れもあります。
ホットペッパーの口コミは信頼度が高い
ホットペッパーの口コミは、インターネット経由で予約をし、来店が確認できたアカウントからのみ書き込む事が可能です。(ホットペッパーを見て掲載されている電話番号から予約を行った場合口コミの投稿はできません)かつ基本的には来店翌日から20日間のうちにしか投稿する事ができません。つまり、ホットペッパーに掲載されている口コミは、実際に来店をした人がその日の施術内容や店の雰囲気をよく覚えているうちに書いた文章だと言えます。来店処理のチェックは店側でアカウントごとに行い、来店したお客さんのアカウントに付与されるポイントの処理にかかる料金は店側の負担になります。
以上のことから、ライバル店の従業員が来店をしないで架空の悪い口コミを書く事は難しく、逆に店の方も自店の印象を良くするために積極的にサクラをしようとは思わないため、嘘の口コミは全くないとは言えませんが他の口コミ投稿系のサイトに比べると少なくなるのです。
さらにホットペッパーの「口コミの掟」第3条にある禁止行為にも「掲載施設が、利用者になりすまして投稿すること」と明記されています。(「口コミの掟」に関しては後述。)それらを前提にして考えると、良い口コミはもちろん、悪い口コミを書かれた場合でも、それらは基本的に「確実に利用履歴のあるお客様」が書いた口コミとして信ぴょう性も益々上がります。
ホットペッパーにどんな風評を書かれたら削除できるのか
ホットペッパーに掲載される口コミは、他の口コミサイトに比べて「やらせ」等の可能性が低い事がわかりましたが、事実無根の風評を書かれてしまい、それが手違いで掲載されてしまう事もあります。ホットペッパーの口コミは削除できるのか、公式に掲載されているルールと照らし合わせながら見ていきましょう。
ホットペッパーのルールを再確認しよう
ホットペッパーでは、口コミのルールが厳しく設定されており、「口コミ投稿前」「口コミ投稿後」に分けて詳しく説明されています。ルールは以下の通りです。
~口コミ投稿前~
■投稿いただいた口コミは、「口コミの掟」に基づき事前に審査を行います。
■審査の結果によっては、非掲載または一部編集の上で掲載になることもありますので、あらかじめご了承ください。
■口コミ投稿の受付期間は、来店日翌日から20日間です。(場合により、来店日当日に投稿できることもあります。)
■口コミ投稿の権利は、1予約につき1件です。
■電話予約の場合は口コミ投稿ができませんので、ご了承ください。(口コミ投稿はネット予約限定です。)
~口コミ投稿後~
■投稿内容の審査に2~10営業日かかる場合があります。また、掲載順は投稿日順ではなく、前後することがあります。
■口コミ審査結果(掲載・非掲載)の通知や、非掲載・一部編集の場合に理由をお伝えすることは行っておりません。
サイト掲載をもって結果のご連絡といたします。
■口コミ投稿後の再投稿・再編集・削除は行えません。ご了承ください。
※掲示板に掲載された投稿記事の著作権はリクルートに帰属します。
口コミ投稿前のルールに関しては、前述したような「口コミの受付期間」「電話予約は口コミ投稿不可」などが記載されており、口コミ投稿後に関しては「投稿されるまでの日数」「審査結果について」などについて言及があります。これを踏まえて、気になる点を詳しく見ていきましょう。
一度ホットペッパーに掲載されてしまった口コミは削除できない
ルールについての記載で、一番気になる点はこちらではないでしょうか。ホットペッパーでは、一度投稿された口コミの再投稿・再編集・削除はできません。こちらに関しては、口コミを書いた本人だけではなく、口コミを書かれたお店にも当てはまります。口コミを投稿する人に対しては、公式のヘルプページでも「投稿の前に「口コミの掟」をご参照の上、「口コミの掟」に抵触されないよう投稿をお願いいたします。」と記載されている所からも、殆どの場合で削除が認められない事が伺えます。
ホットペッパーに寄せられた口コミは全部掲載される訳ではない!「口コミの掟」とは?
ホットペッパーに掲載された口コミが削除できないなら、風評も書き込み放題かと言うと、そういう訳ではありません。ホットペッパーでは、口コミを掲載する前に「口コミの掟」という独自の掲載ルールに照らし合わせた審査がしっかりと行われます。とくに、掲載される口コミに関しての重要事項は「第3条(投稿・閲覧)」の項目に詳しくまとめられています。
審査の上で、例えば「最悪の店」「絶対に行かない方が良い」「詐欺だ」などの独断的で断定的な表現など投稿不可ワードが含まれていた場合や、個人のプライバシーに関わる情報が含まれていた場合などが発覚した場合、事前に「掲載不可」とされて口コミが反映されなかったり、一部運営の方で訂正された上で掲載されたりします。これは、あくまでもホットペッパーの運営が行っていることであり、店舗にはどうする事もできません。時々「ホットペッパーに口コミを投稿したけど掲載されなかった」という利用者の声があがるのは、そういった理由からです。なお、投稿された口コミが非掲載・一部編集になった場合でも、その理由に関しては開示されません。
ホットペッパーに書かれた風評が削除されるレアケース
ごく稀にですが、「口コミの掟」に違反していて掲載されないはずだったコメントが、審査の目を掻い潜って表示されてしまう場合があります。ホットペッパーでは、「投稿者の勘違いによる内容を含むもの」も審査の際に掲載不可になると明記されていますので、そういった場合は申請すれば削除してもらえる事があります。
例1:お客様が大幅に遅刻したため時間の調整をするために待ってもらった時に、口コミでは自分が遅刻した事は伏せられた上で「待たされた」と書かれてしまった。
例2:同時刻に予約のお客様で、施術内容の違いのため後に受付したお客様を先に案内した時に、後に案内したお客様から「後から来た客を優先された」と書かれてしまった。
少し極端ではありますが、こういった勘違いは審査時点では投稿者の言い分しか分からないので見落とされてしまう可能性は十分にあり得ます。こういった投稿に気付いた時は、絶対に削除されるという訳ではありませんが、再審査をお願いしてみましょう。
ホットペッパーの口コミ削除申請の手順
口コミの削除申請は「問い合わせ」から行います。
- 「漢字・カタカナそれぞれの名前」「メールアドレス」を記入し、お問い合わせ内容のカテゴリに「クチコミ・レビューについて」を設定します。ご利用環境の欄に関しては、自分が利用している環境(PCやスマホ、アプリなど)を選択します。
- 「サロン名」「該当の口コミを投稿したお客様の予約番号」を記入し、お問い合わせ内容の欄には、「削除したい口コミの情報(投稿日時や投稿されたコメント)」とともに「削除に値する理由」を記入します。削除理由に関しては、利用規約や口コミの掟のどの部分に違反している書き込みであるか、またはどの法律に違反しているか、など具体的に記入しましょう。
申請で注意するポイントは4点
- 削除したい口コミがどれなのか運営にすぐ分かってもらえるようにする
- その口コミのどの部分が、規約や法律などのどこに違反しているのか明確にする
- 「困っている」など感情的な言葉は入れず、事実だけを述べる
- 基本的に削除は受け付けないと書かれている所への再審査のお願いである事を忘れず、丁寧な文章を心がける
もしも削除が認められなかったら・・・
ホットペッパーの口コミは基本的にこちらからの働きかけで運営に削除してもらう事はできません。しかし、その口コミが「名誉毀損」「信用毀損」「侮辱」「プライバシーの侵害」などの法律に違反している場合、弁護士に違法であるという事実を立証してもらった上で、ホットペッパーを運営する株式会社リクルートライフスタイルに対して「送信防止措置」を行ってもらえれば削除できる可能性があります。
「送信防止措置」とは、インターネット上で権利の侵害を受けた本人または代理人から依頼があった時に、インターネットのサイトを運営するプロバイダー等が対象の書き込みを削除する事をいいます。「送信防止措置」の依頼書はテンプレートもインターネット上でダウンロードできるため被害を受けた本人(店舗)でも書くことは出来ますが、法律の知識がないと有効な書類を作成する事が難しいため、法律のプロである弁護士に依頼するのが安心です。
ホットペッパーに書かれてしまった口コミが、風評ではあるけれど法律には違反していなかった場合は、削除以外の方法で対策を取ることになります。そういった時は、風評対策を専門にしている業者を頼ってみると良いでしょう。風評対策の業者は多くありますが、過去の実績や対策の方法をしっかりとヒアリングし、信頼のおける業者を選ぶようにしてくださいね。
まとめ
ホットペッパーに一度掲載された口コミは削除する事は難しいと言えます。その理由は、掲載される前にホットペッパーの運営側で「口コミの掟」や利用規約に則って厳しく審査しており、その審査を通過した投稿のみが掲載されているためです。
とはいえ、審査の目を掻い潜ってしまう「お客様の勘違い」等の投稿がある場合もあります。そういった場合は、ホットペッパーの運営に、投稿の削除(再審査)をお願いしてみましょう。
どうしても削除が難しい場合でも口コミが法律に違反していた場合は、弁護士に依頼して送信防止措置の依頼書を出せば削除に応じてもらえます。万が一風評の口コミが掲載されてしまった場合は、早めに対応策を打つ事をオススメします。