ネット風評被害・誹謗中傷に対するリスクヘッジは、もはや企業にとっては優先して取り組むべき課題のひとつと言っても過言ではないでしょう。とはいえ、自社で対策するのはなかなか現実的な策とはいえない企業が多いのが現実です。
そんな状況で活用したいサービスが、本記事で紹介する「ネット風評被害監視サービス」です。風評被害によるリスクや、どんなサービスを利用するのが適切か、などポイントを紹介していきます。
インターネット上の誹謗中傷と風評監視
企業にとって、WEB上やSNS上での情報発信が、会社の売り上げやブランドイメージを左右するほど、重要な状況にあります。2013年以降、個人のネット利用率は80%を越え、多くの優良なインターネットサービスが生まれています。
このような状態は、会社側が拡散した情報がダイレクトに消費者に届く環境が整備されつくされていることを意味しています。
しかし、ネガティブな情報をユーザーが見れば、商品を手に取る前に、後ろ向きな印象を抱いてしまい「この会社が販売しているモノは良くない噂があるから、買うのをやめよう」と、購買意欲が下がってしまう可能性があります。
後ろ向きな情報による「誹謗中傷」によって、企業の営利活動にマイナスの影響を及ぼし始めます。
企業が発信している情報を求めているユーザーに対して、誹謗中傷となるネガティブな情報が届かないように必要な対策が「風評監視」です。
企業がネット上で晒されているリスクとは?
法人といえど、ネット上で情報が晒されていることによるリスクは大きく、懸念されるリスクは以下の通りです。
- 風評被害が拡大するおそれがある
- 会社の信頼性・ブランド力が低下する
- 従業員のモチベーションが低下する
- 採用活動・雇用に影響する
広まりやすく、歯止めが効かないネット上の風評被害対策は、容易ではありません。特に、一度落ちてしまった信用を取り戻すことは非常に困難です。
ネットの風評被害をないがしろにしてしまうと、気づかぬうちに企業の内外まで悪影響が及んでしまう危険性があります。
風評監視の必要性
インターネット上の発信力を高めようと考えるほど、影の側面として、誹謗中傷が発生するリスクは高まります。
「うちの会社は大丈夫」と思い込むのはたやすいですが、風評被害の問題は実際に被害にあってみないと実感できない「痛み」を伴います。
取引先や、客先にまで迷惑をかけてしまう可能性もあり、後ろ向きな情報を書き込まれた当事者や関係者は、非常に苦い思いをします。
「問題が起きてしまう前に、風評を防ぐ」ために、また「問題が起きてしまっても、被害を最小限に食い止める」ためにも、風評監視は必要です。
ネットの拡散力を最大限に発揮するための「守り」として、風評監視サービスの導入も検討しましょう。
風評監視サービスとは?
継続的な情報発信が必要である状況は、どんな企業にとっても他人事ではなく、自社の情報発信を行う上で、いつ風評が起こっても対処できるような予防が必要です。
インターネット上の誹謗中傷や、情報セキュリティを扱う会社が、このような風評被害に対するサービスを提供しています。
風評監視サービスは具体的に何をしてくれるのか
各社が提供するリスクマネジメントビジネスである「風評監視サービス」。
- SNS・掲示板・ブログの監視
- 風評の調査
- 機密情報管理
- 検索結果から悪評を削除する「逆SEO対策」
→逆SEO対策の詳細については記事(逆SEOとは?)を参照してください。
噂が広まりやすいSNS・掲示板・ブログを常駐で監視し、火種になりそうなものを排除していく「監視サービス」、悪いうわさが広まっていないかを調査する「風評調査」。
他にも、内外から重要な機密情報が漏れていないかを管理する「機密情報管理」など、風評リスクを完全に断つサービスが多く提供されています。
風評監視のツール
インターネット上では、世界中のユーザーがリアルタイムに、企業が提供するサービスについての評判や口コミを投稿しています。
1人のユーザーの何気ない一言がきっかけとなって、ネガティブな評判が拡大して、炎上に発展してしまうこともあります。
しかし、社内の人員を使って、常時インターネット上の情報を監視し続けるのは人的コストが掛かります。
「風評監視のツール」を使用することで、人の手を介さず、日々の監視作業を自動化することが可能です。
有人の風評監視
風評監視の中でも、有人による監視サービスもあり、ツールだけで監視する無人の監視よりも、精度の高い監視が可能です。風評監視のプロフェッショナルが対応することで、風評被害の芽を、より迅速に摘み取ることが可能になります。
ツールのみで監視を行うより費用が掛かりますが、専門家の見解を元に監視を行います。人の目を介することで、自動化された監視のみでは見抜けないレベルで、リスク回避することが出来るのです。
風評監視すべき、誹謗中傷が起こりやすい場所は?
実際に、風評監視を導入する時には、インターネット上で、どのような場所を監視の対象とすべきなのでしょうか。ネット上には、多くのインターネットサービスがあります。
「風評被害が起こりやすい場所」と、そうではない場所があり、風評監視を導入する際には、被害が起こりやすい場所を対象にしましょう。
SNS上の風評監視
インターネット上で、最も炎上が起こりやすい場所はtwitterです。
これに対して、Facebookなどは、炎上は起こりづらいです。つまり、twitterを監視し続ければ、炎上を防げる可能性が上がるということです。
B to Cの企業であれば、タイムリーな書き込みがされるSNS上での監視をすることで、ユーザーが自社のサービスについて、ネガティブな投稿を行うリスクを防ぐことが出来るのです。
口コミ投稿サイトの風評監視
Googleなどの検索エンジンで、社名や企業のコーポレートサイトの下に転職サイトなど、会社に関する口コミや評判などが書き込まれたページが表示されているのを確認することが出来ます。
検索エンジンは「インターネットユーザーが求めているページ」を上位化させるという検索アルゴリズムによって機能しています。企業名で検索を行うユーザーは、会社情報と合わせて「その会社について、多くの人がどのような評判を抱いているか」ということを知りたがっています。
転職会議やカイシャの評判、ぐるなびやHot Pepperなど、企業の評判や店舗の口コミが投稿できるページに風評が書き込まれないよう、また書き込まれたページが上位化されないよう監視する必要があります。
インターネット掲示板
SNSなどと比較すると、インターネット上の掲示板は、拡散の即時性がなく、タイムリーな情報が広がっていくのに時間が掛かります。しかし、SNS上で書き込まれた誹謗中傷が掲示板に飛び火して、被害を及ぼすケースが少なくありません。
事例としては、ツイッター上で沸き上がった炎上の火種が、5ちゃんねるに飛び火するケーズが多いです。したらば掲示板、爆サイなど、内容によって、拡散しやすい情報がありますので、会社が取り扱っている商品やサービスに応じて、掲示板の書き込みも監視対象としましょう。
ブログ
ブログもSNSと比較すると、風評被害として影響力を及ぼし始めるまで時間が掛かります。しかし、運用歴が長いブログに誹謗中傷が書き込まれてしまうと、検索エンジンで上位化される可能性が高いため、注意が必要です。
はてなブログなど、媒体自体の効力が強いブログに風評が書き込まれてしまうと、会社名で検索された時に、商品やサービスについてのネガティブな評判が書きこまれたページが、消費者の目に触れてしまう可能性があるため、これも監視する必要があります。
まとめ|風評監視は会社のネームバリューを守るために有効!
会社のサービスや商品について情報発信して、インターネット上でポジティブな情報を拡散していくためには、企業のネームバリューを保護する意味で、日ごろからの風評監視が必要です。
ネガティブな情報が拡散しないよう、会社の評判を守りながら、会社の取り組みをアピールしていくことで、優良な顧客がサービスを認知してくれるようになります。いくつかの風評監視を比較して検討しながら、導入を進めましょう。